2017 Fiscal Year Annual Research Report
表面重合した新規ナノ炭素細線の分子レベル電子計測
Publicly Offered Research
Project Area | pi-System Figuration: Control of Electron and Structural Dynamism for Innovative Functions |
Project/Area Number |
17H05154
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂口 浩司 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (30211931)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ナノ材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフェンナノリボン(GNR)は、“有限幅を持つグラフェン”すなわち一次元炭素細線であり、分子幅やエッジ端構造に依存した電子的性質を持つことが理論的に予測されている。しかし完全共役系を達成する重合・脱水素縮環反応が難しく不融・不溶であるため、これまで微細加工技術を用いたトップダウン手法によるカーボンナノチューブ開裂形成や原料分子の超高真空蒸着重合などのボトムアップ法による極微量合成は報告されているものの、化学構造を規定したGNRの簡便な合成法の確立は未開拓であり、その確立が世界的に望まれている。本提案では、分子設計した特殊な原料分子を我々が開発した2ゾーン型化学気相成長法を用いて金属表面で従来に無い新しいGNRを合成する。本提案では、我々が開発した2ゾーン型化学気相成長法を用い、新規なGNRの表面合成と物性計測を目指す。本研究では、従来に無い非対称型GNRを合成するため、前駆体原料分子として末端に官能基を有するZ型前駆体分子を有機合成した。我々が開発した2ゾーン型化学気相成長法を用いて前駆体原料分子を低真空中で気化させ、高温に加熱した清浄化石英表面に接触させて原料分子のラジカルを発生させ、温度制御した単結晶金属基板上でのラジカル重合反応及び脱水素縮環反応により新しい構造を持つGNRの表面を確認した。走査トンネル顕微鏡(STM)を用いて、金属表面上に合成した新規GNRの分子レベルでの可視化や走査トンネル分光による電子状態(バンドギャップ)計測を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標とする非対称型の前駆体分子を有機合成し、予備実験において新規GNR合成が確認できたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従って、推進する。
|
Research Products
(17 results)