2017 Fiscal Year Annual Research Report
Pi-Figuration of Functional Molecules based on Flexible Conformational Change
Publicly Offered Research
Project Area | pi-System Figuration: Control of Electron and Structural Dynamism for Innovative Functions |
Project/Area Number |
17H05155
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武田 洋平 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (60608785)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | メカノクロミズム / ねじれ / 立体配座 / 典型元素 / 熱活性化遅延蛍光 / 室温リン光 / 有機EL / ドナー・アクセプター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、前回参画した公募研究で得た知見を基に、構造的・電子的な「揺らぎ」がintrinsic、dynamic-π機能の鍵となる典型元素含有π電子共役分子を設計・創成する。さらに、領域内・外の研究チームとの積極的な共同研究を通じて、外部刺激に 応答して電子受容性や発光色をダイナミックに変化できるelastic-π機能の実現を目指している。 今年度は、代表者がこれまでに独自に開発してきた特異な構造を有する電子アクセプターを活用して、アルブレヒト健(A01班)および山本洋平(A02班)らと新規なドナー・アクセプター・ドナー型のデンドリマーを開発し、物性の調査を行った。球体、ファイバー状の異なる集合状態において外部刺激に対する発光特性変化が著しく異なることを見出した。山本洋平(A02班)らとの共同研究により、ジケトホスファニルポリマーの球体化に成功し、これらが「ささやきの回廊発光」を示すこと、ならびに近赤外発光を示すことを明らかに、共著論文として発表した。 また、新規なねじれ型D-A-D型π共役分子を設計、創成し、これらの発光クロミズム特性を明らかにした。「こする、加熱する」などの外部刺激に応じて発光特性が変化することが明らかとなり、これまでに代表が提唱してきた立体配座による発光特性制御に対する分子設計の一般性を示すことができた。また、酸や塩基蒸気に晒すことで可逆的に可視領域と近赤外領域での発光をスイッチングできることも見出した。また、ホスト材料を適宜選択することで、室温で遅延蛍光と室温リン光の両方が観測されることが新たにわかった。現在、デバイス材料への応用をイギリス、ポーランドとの国際共同研究で検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた通り、デンドリマーの発光特性について詳細に調査が進んでいる。ジケトホスファニル化合物の圧力に対するダイナミックな応答性については、実験系の組み立てに少し手間取っているが、議論は進んでいる。また、ねじれ型D-A-D分子のメカノクロミズム特性については、おおよその分子設計が確立しつつあり、今後も研究が順調に進むことが予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、前年度までに得られた知見を基に、ねじれ型D-A-D分子の有機EL材料への展開やジケトホスファニル分子の高分子化など、大きく展開を目指す。
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