2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Flat pai-Conjugated Molecules with Innovative Functions
Publicly Offered Research
Project Area | pi-System Figuration: Control of Electron and Structural Dynamism for Innovative Functions |
Project/Area Number |
17H05159
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
灰野 岳晴 広島大学, 理学研究科, 教授 (80253053)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | グラフェン / らせん積層 / 円偏光発光 / 白色発光 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)新規なπ共役分子の創出,2)π共役分子の集積,3)物性の評価と機能創出を目的にグラフェンや有機芳香族小分子を開発してきた。これまでの実績について概要を報告する。 平面四配位型プラチナ錯体は,PtーPt相互作用により自己集合することが報告されている。この集合体は,吸収発光スペクトルにおいてMetal-Metal to Ligand Charge Transfer(MMLCT)バンド由来の特徴的な電子遷移が観測されることや,優れた半導体特性が示されることから機能性材料として注目を集めている。我々は,プラチナ(II)フェニルビピリジン錯体にイソオキサゾール環を導入した平面π共役分子を合成し,自己集合挙動と光学特性について検討した。この分子はらせん積層構造を形成し,集積化により円偏光発光を示す低分子ゲルを形成した。 次に,π共役系分子材料であるグラフェンは次世代電子材料として早くから注目されており,近年盛んに研究されている。我々はグラフェンの周囲を化学的に修飾したグラフェン誘導体の分離に成功し,このグラフェン誘導体が白色に光ることを報告している。そこで,白色発光がどの様なグラフェンの構成成分から得られているかを明らかにするため,グラフェンの分離を試みた。結果,グラフェンのサイズが大きくなるにつれ発光色が長波長シフトすることを明らかにした。また,グラフェンの電気化学特性を詳細に検討したところ,バンドギャップが2eV程度と狭く,-4eV程度の非常に深いLUMOレベルをもつことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画したグラフェンの分離精製には成功しており,グラフェンの基礎物性の評価も概ね終わった。次に機能化について検討中である。また,新たな機能性プラチナを含むπ共役分子の創製にも成功しており,ゲル化による円偏光発光という新たな機能の創製にも成功している。従って,当初の計画通り順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
グラフェンを基盤として機能化を目指した周辺修飾と光機能の創製に邁進する。グラフェンを基盤とした超分子ネットワークの構築による新規材料の開発も行う。また,イソオキサゾールを基盤としたらせん積層型のπ電子系の機能創製についても取り組む。現在,イソオキサゾールを利用した機能性芳香族分子のらせん集積にも成功しており,らせん構造を基盤とした新規キラル光機能に着目して機能創製を行う。
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Research Products
(74 results)