2018 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of sterically congested alkenes from bulky ketones
Publicly Offered Research
Project Area | pi-System Figuration: Control of Electron and Structural Dynamism for Innovative Functions |
Project/Area Number |
17H05163
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
辻 勇人 神奈川大学, 理学部, 教授 (20346050)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 有機化学 / McMurryカップリング / ハフニウム / 光物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
ケトンの還元的カップリング(いわゆるMcMurryカップリング)には一般に低原子価チタンが用いられるが、立体的に嵩高いケトンを用いた場合は反応が進行しない。条件を種々検討した結果、チタンに替わって低原子価ハフニウムを用いることで効率よく反応が進行し、生成物が高収率で得られることをこれまでに見出してきた。この知見に基づき、高い発光効率を持つベンゾフランをテトラアリールアルケンに導入した嵩高いケトンについて、凝集による発光効率の変化について検討した。具体的には、4つのベンゾ[b]フラン部位を持つtetrakis(benzo[b]furyl)ethene (TBFE)を合成し、溶液中の光物性について検討した。その結果、凝集状態のちがいによって、二波長でON-OFF-ONの三状態発光スイッチング特性を示すことを見出した。TBFEは、THF中では非凝集状態をとり、360 nmにベンゾフラン由来の発光極大を示す(ON状態)。溶液中に水を添加することで、この発光帯の強度は弱まり(OFF)、新たに510 nmの発光帯が現れた。水の添加量をさらに増やすにしたがって、360nm帯の消失とともに長波長側の発光帯の強度の増大(ON)を観測した。動的光散乱(DLS)および走査型電子顕微鏡(SEM)測定の結果から、最初のON-OFFスイッチングの領域では、分子サイズ~数nm程度の凝集体が観察され、後のOFF-ONスイッチング領域に切り替わると同じタイミングで、凝集体のサイズが一気にマイクロメートルにまで増大することを観測した。以上の結果から、前者は凝集起因消光(ACQ)によるものであり、後者は凝集誘起発光(AIE)の効果であると推察される。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
プレスリリース「2つの準位から同時にレーザー発振する有機結晶を開発」(2018年6月22日)
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Research Products
(4 results)