2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of highly controlled mesoscopic pi-figuration system at solid-liquid interface
Publicly Offered Research
Project Area | pi-System Figuration: Control of Electron and Structural Dynamism for Innovative Functions |
Project/Area Number |
17H05170
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
長谷川 裕之 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所フロンティア創造総合研究室, 研究員 (10399537)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | π造形技術 / 電解結晶成長 / ナノ単結晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では3つの研究項目,(A) 材料設計・合成,(B) π電子系を持つ分子によるナノ単結晶形成条件の検討,(C) 構造・物性・特性評価に従い研究展開している。 (A) 材料設計・合成:29年度はまず結晶作製が期待される有機導電体材料を中心にナノ単結晶作製を試みた。これらの分子は電解酸化・還元によって対成分・イオンを結晶中に取り込むことが分かり,この動的効果による物性変調を検討した。 磁気機能デバイスの基盤物質としては金属フタロシアニン誘導体を用いた。29年度はデバイス構造に最適な結晶成長条件を検討した。一方,新しいπ電子系分子材料による機能開発を目指し,曲がったπ電子系を持つバッキーボウルを用いたナノ結晶化を検討した。 (B) π電子系を持つ分子によるナノ単結晶形成条件の検討:2電極間のギャップへナノ単結晶の選択的作製を行い,位置選択型作製条件を検討した。基板上に微小間隔のギャップ電極を作製し,電極基板として用いた。基礎特性評価のため,前項で設計・合成あるいは選択した材料についてナノ電解法の交流での電解を適用し,ナノ単結晶による架橋構造を形成させるのに最適な電解条件を検討した。 (C) 構造・物性・特性評価:29年度は前項目で得られたナノ単結晶について,構造と基礎特性評価を行った。得られた結晶について電流-電圧特性等の評価を中心に行い,基礎特性を明らかにした。また全て大気中でのプロセスで製造できる技術の開発を目的に,インクジェット法により電極作製した基盤を用い,ナノ電解法に適用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(A) 材料設計・合成については,領域内でのコラボレーションも実現し,計画以上に新しい材料を適用することが出来た。(B) π電子系を持つ分子によるナノ単結晶形成条件の検討,及び(C) 構造・物性・特性評価については,各種π電子系を有する有機化合物においてナノ単結晶の成長,及び電場効果の詳細を検討し,今後につながる結果を得た。磁気機能デバイスについても,ナノ単結晶の作製を行い,概ね期待通りの結果を得た。以上から,研究は概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
(A) 材料設計・合成:29年度に得られた結果を基に,再設計が必要な材料については新たに分子を設計する。 (B) π電子系を持つ分子によるナノ単結晶形成条件の検討:30年度はナノ単結晶の架橋構造を用いたデバイス作製を行う。効率的にナノ単結晶を配置,配向させるための電解条件,電極構造を検討する。一方,ナノ単結晶中へのイオンの注入を試みる。一度作製した架橋構造を作用極とし,別途対極を用意することで,溶液中の金属イオンなどの小さなイオンを電気化学的手法でナノ単結晶中に注入可能である。新しいπ電子系分子材料ではバッキーボウルを中心に,ナノ単結晶化・デバイス化を試みる。 (C) 構造・物性・特性評価:30年度はデバイス構造が得られた全ての材料について電界効果の測定を行う。特異な効果が得られた場合には,先に調べた構造との相関を検討し,対成分の動的効果の有無について確認する。イオン注入を試みたデバイスについては,注入前後の特性を評価し,イオン注入の効果を確認する。磁気機能デバイスにおいても,シリコン基板を用いることにより,適宜電界効果の測定も可能であるため,電場・磁場双方の効果を検討する。また,プローブ顕微鏡(SPM)による電流注入なども採り入れ,多方面から構造と物性の相関を検証する。
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Research Products
(10 results)