2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of low mass dark matter detector
Publicly Offered Research
Project Area | Revealing the history of the universe with underground particle and nuclear research |
Project/Area Number |
17H05197
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 雅樹 東京大学, 宇宙線研究所, 特任准教授 (10504574)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 暗黒物質 / 液体キセノン検出器 / タイムプロジェクションチェンバー(TPC) |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙暗黒物質の証拠は、銀河の回転速度、CMBの観測など強まるばかりであるが、その正体は不明である。宇宙論と素粒子論からうまく考え出された Weakly Interacting Massive Particles (WIMP)ミラクル説が有望であるが、状況はより不明確になっている。 大型暗黒物質直接検出器では,液体キセノンや液体アルゴン、ゲルマニウム検出器などが探索を行っているが空振りが続き、LHCでも暗黒物質の兆候はまだ見えていない 。したがって、今後暗黒物質探索は、より大きな網を用意し探索していかなくて はならないと考えられる。そんな中、Asymmetric dark matter や DAMA などの煙でモチベーショ ンのある 10GeV より小さい暗黒物質領域 も探索を進めるべき領域の一つである。その領域では必ず しも大型検出器は必要とせず、エネルギー閾値がキ ーとなる。本申請書では新しい 2 相型キセノンTPC を提案し、2 桁以上感度を上げるための研究開発を目的とする。 本年度では小型液体キセノン2相型TPC検出器の制作にあったった。シンチレーション光による光電効果の影響を防ぐために考え出された石英チェンバーの製作および、電離電子をドリフトさせるための電場計算を有限要素法をもちいて行いデザインが決定された。 現在では液体キセノンを導入し放射線源を照射したテストをおこなっており、どこまでエネルギー閾値を下げれるかを評価するためのテストを行っている。液体キセノンの純度をコントロールするための循環純化システムを並行して準備をしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1) 計画通りの石英容器を導入できた。 2) 検出器有効体積における電気力線のシミュレーションを有限要素法を用いて行いデザイン製作を行った。 3) 2相型液体キセノン製作を行い、実際に運転することができ、データを取得し始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度製作した検出器を用いてエネルギー閾値をどこまで下げることができるか評価を行う。 1)液体キセノンの純度をコントロールするための循環システムの運転を計画している。 2)石英容器の有無で試験を行うことで光電効果によるバックグランドの評価を行う。 3)液体キセノン中不純物の影響をみるために不純物として酸素を混入しその影響を評価する。 4) 光検出器MPPCのアレイを導入しイベントの位置の情報を得ることでバックグランドの場所の情報を得る。
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