2017 Fiscal Year Annual Research Report
担持金属クラスターの3D構造制御と触媒作用の解明
Publicly Offered Research
Project Area | 3D Active-Site Science |
Project/Area Number |
17H05213
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
山添 誠司 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (40510243)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 金クラスター / 透過型電子顕微鏡 / 3D構造 / 触媒 / XAFS |
Outline of Annual Research Achievements |
粒径が2 nm以下の金属クラスターの幾何構造や電子状態は,そのサイズ(原子数),組成(金属の種類),幾何構造に依存して大きく変化し,対応するバルク物質や原子では見られない特異な性質,反応性を示す.すでにサイズや組成制御は可能となっているが,幾何構造の制御ができていないのが現状である.平成29年度では,ベンジルアルコール酸化反応活性に対して高い活性を示す担持金クラスターの幾何構造を解明・制御するため,加熱中における担持金属クラスターの構造をTEMで調べた.また,非晶質の配位子保護金属クラスターの3D構造を解明するため,HR-TEMによる構造評価を行った. 担持金属クラスターのTEM観察では,配位子保護金クラスターを固体上に担持し,加熱しながらその構造をTEMにより観察した.配位子が脱離する温度で担持金クラスターの幾何構造が変化することを見出した. 非晶質の配位子保護金属クラスターの3D構造解明では,オレイルアミンで保護した極細金ナノロッドの幾何構造の観察及び,ロッドのアスペクト比や配位子が光学特性に及ぼす効果について研究した.HR-TEMにより,極細金ナノロッドはfcc構造のAu147が双晶面を介して連結した構造体であることを見出した.さらに,極細金ナノロッドはアスペクト比に依存した赤外吸収を示すが,その波長は一般的な金ナノロッドよりもより長波長側にシフトしていることを見出した.また,HR-TEMによる配位子保護金クラスターの原子分解像の観察に成功し,TEM観察条件下でも金クラスターが分解することなく観察できることを見出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
担持金クラスターについて,TEMによる加熱中における幾何構造を解明することが最大の目標であった.本研究により,加熱中の配位子保護金クラスターの構造を観察することに成功し,再現良く幾何構造の変化も明らかにできたので当初の目的は達成した.今回は,本成果に加え,配位子保護金構造体の幾何構造の解明や新しい光学特性を解明でき,計画以上に研究が進展した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は担持金クラスターの幾何構造の制御法を確立し,幾何構造が触媒作用に及ぼす効果を明らかにする.また,配位子保護金属クラスターについて,その3D構造をTEMにより直接観察・解明する技術を確立する.
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Research Products
(11 results)