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2017 Fiscal Year Annual Research Report

Inference of evolutionary pathway of genetic code based on molecular phylogenetic analysis of aminoacyl tRNA syntheses

Publicly Offered Research

Project AreaHadean Bioscience
Project/Area Number 17H05236
Research InstitutionTokyo University of Pharmacy and Life Science

Principal Investigator

横堀 伸一  東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (40291702)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
KeywordsアミノアシルtRNA合成酵素 / 分子系統解析 / 遺伝暗号 / 祖先配列推定
Outline of Annual Research Achievements

現存する生物の使用する遺伝暗号はほぼ共通である。現在のアミノアシルtRNA合成酵素(ARS)は異なる起源を持つ2つのグループClass I ARSとClass II ARSに大別され、それぞれ3つないしは4つのsubclassに配列や構造から分類される。これらのARSが祖先からから現在のように多様化する過程は、遺伝暗号の進化と翻訳におけるアミノ酸レパートリーの変遷に重要な役割を果たしてきたと考えられる。ARSの複合分子系統樹に基づき、どのように現在の遺伝暗号表が確立したのかを明らかにすることを目的とする。
本年度の当初の計画は以下の通りである。各subclassに属するARSの複合アライメント/分子系統解析を行い、各ARSについて有根系統樹を得るる。これらの解析に基づき、全生物の最後の共通祖先(Commonote)以降のARSのレパートリーの進化的変遷を推定する。また、各subclass ARSの複合アライメントに基づき、各classごとに触媒ドメインの複合アライメントを作製し、手分子系統解析を行う。以上の解析で、各subclassについて有根系統樹を得る。これらの解析に基づき、全生物の最後の共通祖先(Commonote)以前のARSのレパートリーの進化的変遷を明らかにする。
本年度の成果:Subclass別ARSの分子系統解析としてClass Ia、Ib、Ic、2a並びに2bの解析を行った。GlnRS、AsnRS、LysRSを除き、Class I、 IIa、並びに IIb ARSは、Commonoteで出そろっていた、と推定された。Class IIa ARSについては、HisRS、GlyRS (α2型)、ThrRS、ProRS、SerRSの順に分岐したことが示唆された。以上に加え、ClassごとのARSのアライメントを検討した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

Subclass別ARSの分子系統解析としてClass Ia、Ib、Ic、IIa、IIbについて、行った。Class Ia ARSついては、LeuRS、IleRS、ValRSに注目し、これらの複合系統樹を作成し、IleRS、ValRS各々の共通祖先、IleRSとValRSの共通祖先のアミノ酸配列を推定した。Class Ib ARSについては、この3者ARSの複合系統樹を作成し、GlnRSが真核生物GluRSと共通祖先を持つことを示唆し、GlnRSの共通祖先と、真核生物GluRSとGlnRSの共通祖先の配列を推定した。また、Class Ic ARSに関しても、分子系統解析を行い、TyrRSとTrpRS各々の共通祖先ARSのアミノ酸配列を推定した。Class IIa ARSについては、Class IIb ARSをアウトグループとして複合系統樹を作成したところ、Class IIa ARSは、HisRS、GlyRS (α2型)、ThrRS、ProRS、SerRSの順に分岐したことが示唆された。GlnRS、AsnRS、LysRSを除き、Class I、 IIa、並びに IIb ARSは、全生物の最後の共通祖先(LUCA、Commonote)で出そろっていた、と推定された。祖先配列推定など、来年度に行う計画の一部が前倒しで進んでいる一方で、アライメントが難しく分子系統解析が進んでいないClass IIcとClass IIdのそれぞれのサブクラスレベルでの解析が進んでいない。以上の点から、本研究は全体としては概ね順調に進展している、と考えられる。

Strategy for Future Research Activity

今後は、Subclassごとの分子系統解析をさらに進める。特に、2つのサブクラス、Class IIcとClass IIdについて、再度アライメントを検討し、分子系統解析を行う。
さらに、Class I ARSについては触媒ドメイン+アンチコドン結合ドメインの、またClass II ARSについては触媒ドメインのアライメントを進め、ClassごとにARSの複合系統樹の作成を行う。特に、Class I ARSについて、再度Class Iaに分類されるCysRSとArgRSの系統学的位置の再検討を中心問題として解析する。これは、ArgRSとClass Ib ARSとの間で、基質認識等の特徴が共有されているなど、Class IaとClass Ibとの間の関係を再考する余地があることと、Class I ARS全体の複合系統樹の根の位置をどこに置くか、その推定に重要であるからである。
これらの結果を受けて、ARSの進化に基づいた、遺伝暗号表の進化経路を検討する。また、既に祖先配列推定を行っているIleRS、ValRS、GluRS、GlnRSに加えて、Class IIa ARSについても祖先配列推定を行い、祖先タンパク質の作製と生化学的解析を行う。

  • Research Products

    (2 results)

All 2017

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] アミノアシルtRNA合成酵素の分子系統解析に基づく初期翻訳系の進化2017

    • Author(s)
      古川龍太郎、横堀伸一、山岸明彦
    • Organizer
      日本進化学会第19回大会
  • [Presentation] アミノアシル化tRNA合成酵素の分子系統解析と祖先酵素復元に基づく標準遺伝暗号表の成立過程の推定2017

    • Author(s)
      横堀伸一、古川龍太郎、横川隆志、笹本峻弘、佐藤陸、宮下奈津実、遠藤有紀、松田直樹、丸山真歩、木賀大介、赤沼哲史、山岸明彦
    • Organizer
      生命科学系学会合同年次大会(ConBio2017)

URL: 

Published: 2018-12-17  

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