2018 Fiscal Year Annual Research Report
初期地球環境に相対的に多く存在したアミノ酸種を用いた原始的タンパク質の構築
Publicly Offered Research
Project Area | Hadean Bioscience |
Project/Area Number |
17H05237
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
赤沼 哲史 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (10321720)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 生命の起源 / 初期地球環境 / アミノ酸 / 初期進化 / 原始タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、10アミノ酸種だけから再構成されたにもかかわらず、80℃以上まで安定な立体構造を形成する単純化型ヌクレオシド二リン酸キナーゼ改変体を得た。この10アミノ酸種のうちの8アミノ酸種が、初期地球環境に比較的豊富に存在したと推定されているアミノ酸種と一致した。この単純化改変体は、80℃以上まで安定な立体構造を保つが、本来の触媒機能であるリン酸基転移活性を検出限界以上では示さなかった。 今年度は、この単純化改変体に触媒活性以外の機能がないか検討した。単純化改変体といくつかの一本鎖RNAとの結合を、ゲルシフトアッセイによって解析したが、結合は観察できなかった。次に、10アミノ酸種で再構成された単純化改変体とATPとの結合アッセイをおこなったが、同様に、結合は観察できなかった。一方で、13アミノ酸種で再構成された改変体では、ATP結合活性が観察された。この研究成果によって、本研究課題の研究期間は終了するが、今後、13アミノ酸種で再構成された改変体から系統的かつ網羅的にアミノ酸種類を減らすことによって、ATP結合活性に必要な最少アミノ酸種類(数)を明らかにできるのではないかと期待される。 また、前年度までに復元した真正細菌共通祖先型トリオースリン酸イソメラーゼと古細菌共通祖先型トリオースリン酸イソメラーゼの物性解析をおこなった。その結果、どちらの祖先型トリオースリン酸イソメラーゼも、現存の酵素と比べると小さいながらも触媒活性を示し、80℃を超える温度まで安定であることが明らかとなった。本研究課題の期間は終了するが、今後、祖先型トリオースリン酸イソメラーゼのアミノ酸組成単純化によって、可能な限り、初期地球環境に豊富に存在したと推定されているアミノ酸だけから再構成することを試みる計画である。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|