2018 Fiscal Year Annual Research Report
原始生命におけるエネルギー通貨産生システムの再現
Publicly Offered Research
Project Area | Hadean Bioscience |
Project/Area Number |
17H05242
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
千葉 洋子 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (70638981)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 代謝エネルギー / 高エネルギーリン酸結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、前年度得られた、目的の反応を触媒可能な既存の酵素よりも短いタンパク質群をベースにさらに短いペプチド群を作ることを目指したが、目的のものを作ることはできなかった。そこで昨年度までのポジティブな実験結果を中心に投稿論文を執筆し、現在Acceptされたところである。 また、今年度はエネルギー通貨の進化を理解するという大きな目的に対して、当初の研究計画から少し視点をずらして以下の研究を行い、大きな成果を得た。すなわちATPがエネルギー通貨として確立する以前にATPよりも構造的にシンプルなピロリン酸(PPi)がエネルギー通貨(の1つ)として働いていたという仮説のもと、現存のPPi依存的酵素が同じ機能を有するATP依存的酵素の進化的関係を明らかにすることを試みた。ATP型phosphoenolpyruvate carboxykinaseとPPi型のそれは、アミノ酸配列上は明確な類似性が認められない、すなわちそれぞれ独立して誕生したことが示唆されていた。しかし、我々はPPi型のタンパク質立体構造を明らかにし、立体構造ベースでATP型のそれと比較することを可能にしたところ、両者に進化的なつながりがあることが明らかになった。phosphofructokinaseの場合ATP型からPPi型が派生したことがアミノ酸配列を用いた系統関係から既に示唆されている。一方でphosphoenolpyruvate carboxykinaseの場合は両者が進化的根の深いところでつながっており、我々の遠い祖先に既にATP型とPPi型があったこと、すなわち太古の生物にもPPi利用酵素が存在したことが示唆された。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)