2017 Fiscal Year Annual Research Report
Cooperative molecular alignment process enabled by spatio-temporally dynamic lighting
Publicly Offered Research
Project Area | Application of Cooperative-Excitation into Innovative Molecular Systems with High-Order Photo-functions |
Project/Area Number |
17H05250
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宍戸 厚 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (40334536)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 分子配向 / 光重合 / フィルム |
Outline of Annual Research Achievements |
材料の機能と性能の飛躍的向上には分子配向制御が必要不可欠である。力学延伸や光応答性分子を用いる既存手法では,精密配向の困難・限られた分子設計自由度など問題が山積しており,新たな分子配向法の開拓が急務である。遠隔操作が可能でクリーンな利点を有する光配向において,分子構造の制約から解放されて自在に分子配向できれば,機能材料研究を加速することは疑いない。本研究では,光を時間的空間的に動かしながら照射することにより,分子協調を利用して精緻に配向制御する新手法を構築するとともに,分子配向フィルムの特異な光機能を明らかにすることを目的とした。 分子配向メカニズムを解明できれば,高効率な分子配向条件最適化や高度配向を可能にする分子構設計の指針 となる。そこで,まず分子配向機構の解明を目指して分子配向プロセスの可視化を行った。偏光顕微鏡により光重合過程をリアルタイムで観察し,動く光により分子配向を直接誘起できることを明らかにした。 モノマーと光開始剤に動く光を照射する。光重合により生成する高分子が,拡散と流動による分子配向を引き起こし,最終的には粘度増加による固定化までを担う,極めてダイナミックな現象である。このことは,時空間的に強度変調された光,すなわちパターン露光を時々刻々と変化させることにより,物質の拡散と流動を自在に設計できることを意味している。そこで,露光パターンを時間的に変化できるデジタルライトプロセッサー(DLP)を用いて,様々な配向構造体の作製を行った。パターン露光の条件を光強度・時間・温度の観点から最適化することにより,パターンに応じた二次元分子配向パターニングに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年11月までに、 分子配向プロセスの可視化、ラジカル重合カチオン重合での検討を行い、平成30年3月までに、分子協調配向構造体の作製を行う予定であった。しかしながら,平成29年11月、本学内にて発生した瞬時電圧降下によりラジカル重合カチオン重合での検討に使用していた光照射装置及びステッピングモーターに故障が生じたため、当装置の修理および 調整が必要となった。様々な配向構造体の形成 に必要となる、開始剤や架橋剤の選定、光強度などのラジカル重合カチオン重合での検討再開に4ヶ月間を要した。4ヶ月繰り越しを行ったものの,当該年度の当初の目的を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
繰り越しにより,平成30年4月から7月まで分子協調配向構造体の作製を行い,当初の目的を達成した。次年度は予定通りの研究遂行が見込める。
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