2017 Fiscal Year Annual Research Report
脳MRI画像解析技術とアルツハイマー病の診断支援への応用
Publicly Offered Research
Project Area | Multidisciplinary computational anatomy and its application to highly intelligent diagnosis and therapy |
Project/Area Number |
17H05276
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 康一 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (70400299)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 画像 / 医用画像解析 / 脳画像解析 / 脳MRI / 診断支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,脳局所特徴の高精度化を検討するとともに,脳局所特徴を用いた解析手法を開発した.具体的な成果は,以下の2項目である. 1. 脳画像解析のための脳局所特徴:これまでは解剖学に基づいて定義された90領域の脳アトラスを基準として脳局所特徴を定義していたが,局所領域の大きさが一定になるように定義された1,024領域の脳アトラスを基準として計算される体積値を新しい脳局所特徴量として定義した.また,体積とは異なる新しい局所特徴量として灰白質の厚さで定義される皮質厚を導入した.これらの局所特徴量を用いた基本実験により,局所体積と局所皮質厚が相補的な役割を果たすことを確認した. 2. 脳局所特徴を用いた解析手法:項目1で検討した脳局所特徴量を用いて,脳MRI画像から年齢を推定する手法を検討した.1,000名を超える大規模なデータベースを用いた性能評価実験を通して,1,024領域の脳アトラス,および,局所体積と局所皮質厚の組み合わせの有効性を実証した.年齢推定において貢献度が高い局所領域を調べるとともに可視化を行った.年齢推定に貢献度が高い領域と正常加齢で形態変化が起こりやすい部位には高い相関があることを専門家により確認された.これより,医学的な観点からも提案手法が正しく動作していることがわかった.また,年齢推定の新しい手法として,畳み込みニューラルネットワークを用いた手法の検討を行った.これまでの検討により,畳み込みニューラルネットワークを用いることで,脳局所特徴と同程度の精度で推定できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた通りに,新しい脳局所特徴の定義,および,解析手法について検討することができた.さらに,畳み込みニューラルネットワークを用いた手法についても検討をすることができたため,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,本年度の研究成果を踏まえて,アルツハイマー病患者を含む脳MRI画像を用いた実験を行い,アルツハイマー病の診断支援の可能性を探究する予定である.
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