2017 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍の物性解析を目的としたマルチモーダル・マルチスケール画像位置合わせ手法
Publicly Offered Research
Project Area | Multidisciplinary computational anatomy and its application to highly intelligent diagnosis and therapy |
Project/Area Number |
17H05278
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大西 峻 千葉大学, フロンティア医工学センター, 助教 (30706833)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 画像位置合わせ / 病理画像 / 超音波像 / 画像特性解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳腫瘍組織の物性解析に向けた,基礎技術の構築が本研究の目的である.本研究では超音波顕微鏡を用いて,音速や音響インピーダンスなどの音響特性を計測する.超音波顕微鏡は高空間分解能でスキャンすることができ,画像化することが可能である.一方,腫瘍の組織特性は病理画像にて取得する.ここで,超音波像と病理画像は計測範囲や空間分解能に違いがある上,画像特性も大きく異なることから,従来の位置合わせ技術では高精度化させることが困難であった. 本研究では,H29年度に病理画像の特性変換手法を構築した.病理画像を小領域に分割し,各領域における画像特徴を解析し,超音波信号を推定するモデルを事前に用意する.モデルの生成にはConvolutional Neural Networkを採用した.新たに取得した病理画像にこのモデルを適用することで,疑似的な超音波像が生成できる.このとき,病理画像の小領域(e.g. 32 x 32 pixel)から一つの超音波信号が出力されるため,画像間の解像度の違いも補正することができる.完全に対応する病理画像と超音波像が取得できないため,直接的な比較はできないが,隣接切片で比較を行ったところ,生成された疑似超音波像の画像特徴は実際の超音波像と酷似していた. 計測した超音波像と,疑似超音波像を対象に位置合わせを実施した.位置合わせには簡易的な手法を適用した.良好な結果が得られ,特性変換手法の有効性が確認された.ただし,定量的な評価や従来手法との比較までは行えていないため,今後の課題となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腫瘍組織の収集は順調に行えている.ただし,物性解析を実施するにはまだ不十分であるため,引き続き収集を行う.位置合わせ手法は基礎部分は構築できたため,適宜定量評価とフィードバックを行う.これと同時に,超音波顕微鏡が更新されているため,新たな環境において計測を行い,これに合わせた手法の改良も進める.
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Strategy for Future Research Activity |
全体的に順調に進展していると考えている.ただし,今後は物性解析を実施することを踏まえたルーチン化を意識した環境・プロトコル構築が必要と思われる.これと並行して,各種手法の精度・有効性評価を進める.
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