2017 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胎児脳神経系、骨格器系の多元計算解剖学的解析
Publicly Offered Research
Project Area | Multidisciplinary computational anatomy and its application to highly intelligent diagnosis and therapy |
Project/Area Number |
17H05294
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高桑 徹也 京都大学, 医学研究科, 教授 (40244933)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ヒト胚子 / 胸郭形成 / MRI / 位相CT / 主成分分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちは、世界最大のヒト胚子コレクション(Kyoto Collection)由来の立体情報(MRI, 位相CT等)を用いて、ヒト器官形成期(約5-10週)の諸器官の形態形成についてデータを蓄積、報告し一定の成果をあげている。これらは、諸器官についての立体的形態と計測を中心に基礎的なデータを蓄積したものである。同手法は、上記の古典的な組織形態学的アプローチの限界を回避でき、全身を網羅的に観察することを可能にした。次の段階として、多元計算解剖学的手法を加え解析を進めることとした。本年度は、まず、四肢骨格器系のうち胸郭領域を主たる解析対象とし、肋骨、椎体の形状をもとに、胚子期の胸郭の形状の変化を検討した。 Carnegie stage (CS)17-23計36体のヒト胚子を対象に,MRI,位相CTを用いて高解像度の画像を取得した。84箇所/標本の3次元座標を肋骨、椎体上に設定し、CSごとの基本的な形態学、形態計測学的検討を行った。さらに、主成分分析も行った。第1主成分は、胸郭の体積の増加、肋骨先端の伸長であった(寄与率94.0%)。第2主成分は、CS20, 21に特徴的にみられる胸骨下部の突出と、その後CS23にかけて増大する肋骨の形状変化、肋骨側方背部の屈曲、後方への突出であった。 骨格器系として、骨盤、大腿骨についても同様の検討を開始し、現在解析中である。MRI,位相CT画像については画像取得を継続して行っており、また、より高解像度の画像取得のための検討を継続することで、解析対象例の充実化を計っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年、われわれはヒト胚子CS17-CS23について、骨格器のひとつとして胸郭を選択しその形状変化を座標点を1個体84点行い検討 した。主成分分析を行い、胚子期の胸郭形成の特徴を抽出し得た。骨盤、大腿骨等骨格器の他の部位についても検討を開始しており、次年度には解析結果を提示できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年、われわれはヒト胚子CS17-CS23について、骨格器のひとつとして胸郭を選択しその形状変化を座標点を1個体84点行い検討 した。今年度は、観察時期を胎児期初期まで延長すること、体幹部(腹部、骨盤部)にも座標点をおいてその変化をみるととも に、主たる内部器官の形状情報も加えより高次の解析を行う。体幹部の形状変化には、それをもたらす要因があると考えられ、 その要因のひとつとして内部諸器官の発生成長は重要ではないかと考えており、それを立証したいと考える。 また、脳神経・感覚器系についても、すでにこれまで解析してきた立体情報を活用し、同様の解析を進める。具体的には、標本 ごとに立体像を参考に、MRI等の二次元画像上で予め定めた解剖学的基準点を同定しその座標を取得 していく。基準点の選定と しては、整形外科領域の計測方法、胎児エコーの計測法等を参考 にすることで、応用しやすいようにする。検討手順として、 機能解剖学的な領域(脳神経、視覚器、聴覚器、運動器等)、発生解剖学的領域(神経頭蓋、内蔵頭蓋、咽頭弓、軟骨化中心、骨 化中心等)それぞれの原基からの形成過程ごとに分けて解析を行い、それぞれの関連付けを行う
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Research Products
(25 results)
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[Journal Article] Quantitation of nasal development in the early prenatal period using geometric morphometrics and MRI: A new insight into the critical period of Binder phenotype.2017
Author(s)
Katsube M, Yamada S, Miyazaki R, Yamaguchi Y, Makishima H, Takakuwa T, Yamamoto A, Fujii Y, Morimoto N, Ito T, Imai H, Suzuki S.
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Journal Title
Prenatal Diag
Volume: 37
Pages: 907-915
DOI
Peer Reviewed
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