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2017 Fiscal Year Annual Research Report

Probing charge and polarization generated by semiconductor singularity structures using terahertz emission

Publicly Offered Research

Project AreaMaterials Science and Advanced Elecronics created by singularity
Project/Area Number 17H05338
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

川山 巌  大阪大学, レーザー科学研究所, 准教授 (10332264)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
Keywords表面界面 / テラヘルツ波 / フェムト秒パルスレーザー / ダイナミクス
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、半導体特異構造にフェムト秒パルスレーザーを照射することにより発生するテラヘルツ波の波形計測・イメージングを行い、特異構造によって生じる蓄積電荷、分極電場およびそれらによって変化するケミカルポテンシャル等の情報を抽出することが目的である。2017年度は、1) 非対称High-k多層膜により誘起されるSi表面分極の計測、2) SiNx/Si界面のポテンシャル評価、の2つの課題で成果を上げることができた。
課題1)では、人工格子の技術を応用してY2O3とAl2O3のHigh-k膜とSiO2を組み合わせSi基板上に三色超構造(Tricolor superstructure: TCS)を作製することでSi基板の分極を制御し、さらにレーザーテラヘルツ放射顕微鏡(LTEM)により非接触でその分極の大きさ・方向の計測を行った。Tiサファイアフェムト秒パルスレーザーを照射するとSi表面におけるバンドベンディングにより光電流が発生し、外部にテラヘルツ波が放射される。SiO2/Y2O3/Al2O3/SiO2/p-Si(100)の積層順序では、各層の酸素面密度の差により分極が形成され、p-Si界面のバンドを上向きに押し上げる効果があると考えられる。実際に、約8ps付近から見られるTHz放射ピークの位相が未処理のp-SiからのTHz波から反転しており、これはTCSの積層によりp-Si表面が弱い蓄積状態に変化したことがLTEM計測から分かった。
課題2)では、半導体デバイスのパッシベーション膜として広く用いられているSiNxがSi基板表面に与えるポテンシャル変化をLTEMにより計測し、SiNxの屈折率がわずか0.1変化しただけでSi表面のポテンシャルが大きく変化することをがわかった。このように、LTEMは非常に高感度にSiNxパッシベーション膜の評価に利用できることが示された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

本研究では、テラヘルツ放射顕微鏡・分光(LTEM/LTES)の材料・デバイス評価手法としての有用性を検証するとともに、特異構造によって誘起される分極、電荷およびケミカルポテンシャルの変化を評価することを目的とし、1)非対称high-k多層膜により誘起される表面分極の計測、2)フッ素プラズマ処理したInN表面蓄積電荷の計測、3)波長可変ベクトル検出LTEM/LTESの構築、4)多層ヘテロ構造における界面バンド構造計測と各層の選択的分析、の4つの研究項目を行う。
課題1)では、High-k膜とSiO2を組み合わせSi基板上に三色超構造を作製し、各層の酸素面密度の差により形成される分極により、p-Si界面のバンドを上向きに押し上げる効果があることがLTEM計測から明らかにした。従来のC-V測定と比較することにより、三色超構造における分極を詳細に分析した結果がApplied Physics Letters紙に掲載されEditor’s Pickに選ばれるなど大きな進展が合った。
課題2)では、フッ素プラズマ処理時間を変えたInNからのTHz放射を計測した。プラズマ照射時間とTHz強度に現状では有意な相関が見られておらず、実際に照射したフッ素が活性化しているかなどの検証が必要である。
課題3)では、THz波を二つのワイヤーグリッドを用いてTHz波の偏光のx成分とy成分の分布を取得するTHzベクトルイメージングシステムを構築した。すでに、GaNのm面の表面分極のベクトルイメージングを開始している。
課題4)では、上記以外の様々なヘテロ界面である、半導体デバイスのパッシベーション膜として広く用いられているSiNx/Si、やカイラリティおよび配向制御したCNT、InGaN/GaN量子井戸などの試料の測定を開始しており、いずれも興味深い結果が得られ始めており、計画以上に進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

進捗状況でも記載したように、申請時の実験計画はほぼ順調に進んでおり、それ以外にも興味深い現象が観測されている。それぞれの課題に関する今後の方策を以下に記載する。。
課題1)非対称high-k多層膜により誘起される表面分極の計測では、LTEMとC-V計測の結果が完全には一致していなかった。これは、絶縁層の固定電荷がそれぞれの計測に与える影響が異なるためであると考えている。18年度は、この違いを検証するために層数を変えた接合を作製し、その比較を行う。
課題2)フッ素プラズマ処理したInN表面蓄積電荷の計測ではテラヘルツ計測前に、フッ素プラズマ処理時間と蓄積電荷量の関係を計測することが重要であり、共同研究先の立命館大学・荒木研究室と協力して進める。
課題3)波長可変ベクトル検出LTEM/LTESの構築では、すでに基本的なシステム構築は完了した。今後、m面GaNの表面分極のベクトルマッピングを行う。
課題4)多層ヘテロ構造における界面バンド構造計測と各層の選択的分析では、酸化ガリウムや一方向にそろった半導体CNT、InGaN/GaNヘテロ接合などからのTHz放射を確認し、エキシトンや弾性波によるTHz放射など興味深い減少を確認している。今後、理論・計算など比較するこpとにより、詳細を明らかにする。

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Published: 2019-12-27  

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