2018 Fiscal Year Annual Research Report
輻射・非輻射再結合の同時観測とそれに基づく特異構造の電子状態の理論モデル構築
Publicly Offered Research
Project Area | Materials Science and Advanced Elecronics created by singularity |
Project/Area Number |
17H05341
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 敦史 金沢工業大学, 工学部, 教授 (60449428)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 窒化物半導体 / 光物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
窒化物半導体光デバイスは、LEDや半導体レーザがすでに開発されているが、これらの発光層に用いられるInGaNやAlGaNなどの混晶半導体には、組成揺らぎ、歪みの空間分布、各種欠陥など結晶の周期性を乱す要因(特異構造)が混在しており、その材料物性が未だに完全には解明されていない。こうした材料の物性を解明するには、まず特異構造をもつ混晶窒化物半導体材料の構造と物性を様々な側面から実験的に調べ、それらの実験結果のすべてを説明するための理論モデルの構築が必要である。本研究では、これまでほとんど研究されていない「非輻射再結合の直接観察」がこの物性解明の突破口になり得ると考え、この実験から内部量子効率、輻射・非輻射再結合寿命を正確に求めるなどの研究を進めている。また、結晶の周期性の乱れから生じるバンド裾状態、局在状態を様々な光学手法で測定し、特異構造の物性を理解するための情報を得て、それらの結果を包括的に説明する理論モデルを構築し、窒化物混晶半導体における電子状態とキャリアダイナミクスを包括的に理解することを目指した。
2019年度は光音響・発光同時測定法のノイズ除去をより進め、発光層の体積が小さいInGaN量子井戸試料において、再現性良く内部量子効率が測定できるようにした。そして、この実験装置を用いて、品質の異なる様々なInGaN量子井戸試料の内部量子効率を測定した。その結果、緑色領域で発光するInGaN量子井戸では内部量子効率が低いことなどが確認された。 また、InGaN量子井戸に対して、時間分解PL測定によって測定された発光波長とPL寿命の関係、PLEスペクトル、PLピーク波長の励起波長依存性などの様々な実験結果を同時に再現する理論モデルの構築に取り組んだ。誤差関数の状態密度の中でのキャリアのエネルギー緩和を速度方程式でモデル化することにより、大部分の結果を再現することができた。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)