2017 Fiscal Year Annual Research Report
Design of asymmetric nano-space in ionic crystals
Publicly Offered Research
Project Area | Coordination Asymmetry: Design of Asymmetric Coordination Sphere and Anisotropic Assembly for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
17H05356
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内田 さやか 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (10361510)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | イオン結晶 / 複合材料・物性 / 分子性固体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、無機金属酸化物クラスターであるポリオキソメタレートアニオン(POM)を構成ブロックとし、適切なカチオンやポリマーとの複合化において、電荷・サイズ・対称性・配位子・電子配置・分子量などをパラメーターとして、イオン結晶である結晶性複合体の合成とその機能創製を目的としている。イオン結合は等方的かつ長距離まで働くため、イオン結晶は一般に対称性が高く等方的な構造に結晶化するが、上述のパラメーターの工夫により異方性のある構造や空間が構築される。 今回、研究例の多いKeggin型に代えてより酸性度が高いことで知られるPreyssler型POM と、平均分子量の異なる二種類のポリエチレングリコール(PEG400と1000)との結晶性複合体を合成し、これらのプロトン伝導度を比較した。無加湿・368 Kにおいて、PEG400、1000との複合体はそれぞれ2.5×10-4 S/cm、1.7×10-4 S/cmという比較的高いプロトン伝導度を示し、伝導性にはPEGの分子量の違いに基づくセグメント運動の大小が関わることを明らかにした。次に、ポリマーとPOMの結合強化による構造安定化やプロトンサイトの増加による伝導度向上を指向し、PEGに代えてカチオン性のポリマーであるポリアリルアミンを用いて複合体を合成した結果、プロトン伝導度が一桁向上した。さらに、ポリマーはPEGのままで、POMをNaからBi中心のものに置き換えて(アニオンの負電荷減少)複合体を合成したところ、PEGのセグメント運動がより活発になり、伝導性が一桁近く向上した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
キラル空間の創出には至っていないが、結晶構造への非対称性の導入には成功しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
キラル空間の創出に注力する
|
Research Products
(13 results)