2018 Fiscal Year Annual Research Report
金属架橋カプセルの異方性機能展開
Publicly Offered Research
Project Area | Coordination Asymmetry: Design of Asymmetric Coordination Sphere and Anisotropic Assembly for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
17H05359
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉沢 道人 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (70372399)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 分子カプセル / 配位結合 / 異方性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、我々がこれまでに開発した高い分子内包能の「多環芳香族ナノ空間」を有する金属架橋カプセルを基盤として、これと「異方性(アシンメトリー)」を組み合わせることで、新たな『 異方性ナノ空間の化学 』を創出する。具体的な研究課題として、対称性の高いナノ空間を活用して、非対称性ゲスト分子を内包することで、選択的に異方性ホスト-ゲスト錯体を作製する。また、新規な非対称性ナノ空間を配位結合を使って構築し、その空間が持つ特異物性や相互作用などを解明する。本研究領域のA03班において、他の班との共同研究により、「溶液系」と「多環芳香族骨格」と「孤立ナノ空間」を特徴とした独創的な「空間アシンメトリー」の化学の推進に貢献する。本年度は、芳香環に囲まれたナノ空間が、水中、瞬時にかつ100%の収率で、親水性で非対称性なオリゴ乳酸オリゴを内包できることを見出した。また、結晶構造解析や等温カロリメトリーでの詳細なメカニズムの検証から、内包体は多点の分子間相互作用に基づく負のエンタルピー変化により、水中で安定化することが明らかになった。さらに、両親媒性で対称性のオリゴエチレンオキシドが水中・室温で、瞬時かつ定量的に、金属架橋カプセルと結合することを見出した。結合様式は基質の長さに依存し、約3 nmまでのオリゴエチレンオキシドはカプセル内部に包み込まれ、それより長いオリゴエチレンオキシドはカプセル骨格を貫いて結合した。詳細な熱量分析から、この前例のない貫通型ナノ構造体の形成は、カプセル内面とひも状分子の多点相互作用が駆動力と判明した。水中での芳香環ナノポケットと生体関連分子の相互作用を明らかにした。新たな「多環芳香族ナノ空間」の機能を開拓した。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)