2018 Fiscal Year Annual Research Report
螺旋分子の内側を用いたアシンメトリック配位場の構築と機能化
Publicly Offered Research
Project Area | Coordination Asymmetry: Design of Asymmetric Coordination Sphere and Anisotropic Assembly for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
17H05363
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
廣戸 聡 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (30547427)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ヘリセン / バッキーボウル / 金錯体 / フラーレン包接 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は窒素元素を骨格に含む曲面分子、アザ[5]ヘリセンおよびアザバッキーボウルの合成を報告している。これらは、曲面構造による性質と窒素元素の優れた電子供与性を併せ持ち、従来の曲面π共役分子より優れた分子包接能、光化学・電気化学特性を示すことを明らかにしている。そこで本研究において、我々はこれらの分子を配位子として活用し非対称な構造をもつ金属錯体の創成を目指し、研究を行った。その結果、アザヘリセンアセチリド錯体の合成、およびアザバッキーボウル金属錯体の優れた分子包接能について明らかにした。 アザバッキーボウルは共有結合で連結した二量体を合成し、その連結部位の大きさ・角度により、形成する空間の大きさを制御でき、サイズの異なるフラーレンの会合能を変化できることを報告している[1]。今回さらに、可逆的な結合である金属配位による二量体の合成を行った。その結果、安定な金属錯体の合成に成功し、アザバッキーボウル同士が作り出す空間において、フラーレンを強く包接できることを明らかにした。(Figure 1)。 アザ[5]ヘリセンは螺旋の外側および内側にアルキニル置換基をもつ。今回、これらアルキニル基を配位子として活用し、アザ[5]ヘリセンに直接金(I)および白金(IV)が配位した錯体の合成に成功した。いずれの金(I)錯体は空気中で安定であり、その構造はX線結晶構造解析により明らかにした。その結果、配位子であるトリフェニルホスフィンが立体反発により湾曲して配位した構造をとっていることが分かった。錯形成により光化学・電気化学特性が変化し、金属の配位がヘリセンに対し電子的影響を及ぼすことを明らかにした。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)