2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Asymmetric Space formed via Molecular Recognition
Publicly Offered Research
Project Area | Coordination Asymmetry: Design of Asymmetric Coordination Sphere and Anisotropic Assembly for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
17H05375
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
灰野 岳晴 広島大学, 理学研究科, 教授 (80253053)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 超分子錯体 / らせん / 分子認識 / 不斉増幅 |
Outline of Annual Research Achievements |
本領域は,集積型錯体や配位空間の構造や電子状態の非対称性・キラリティーから構造・機能・物性の異方性や指向性を有する新機能分子・材料を創成することを目的としている。本領域の研究課題として解決されるべき具体的な問題は,1:アシンメトリーな金属配位場の高次分子機能の創出,2:金属錯体の自己組織化によるアシンメトリーな構造と機能の創出,3:アシンメトリーな空間の高度な分子認識や物質変換,輸送などの機能の創出,4:アシンメトリーな構造の電子物性や電子機能の創出,である。本領域の目的を達成するためには,金属配位圏非対称化の斬新な手法の開発が不可欠である。そこで,本研究では,金属配位により形成される自己集合カプセルのらせん不斉を効率的に誘導することで不斉分子認識空間を創出し,それを不斉分離や不斉反応触媒に利用することを計画する。 我々は,カリックス[4]アレーンオリゴマーがガリウム三価イオンや鉄三価イオンとカテコール部位の錯形成を駆動力に超分子三重らせんポリマーを形成すことを見いだした。このホスト分子はピリジニュウム塩などのカチオン性ゲスト分子を効果的に包接した。三つのカリックス[4]アレーンにより形成される包接部位は,テレフタルアミド部位を介して立体的にリンクしているため,複数のゲスト分子の包接において,高い正の協同性が確認された。また,らせん構造の誘導に高いマジョリティー効果が確認された。さらに,レゾルシンアレーンカプセルの提供する不斉空間はキラルなゲスト分子と高いジアステレオ選択性と共に包接する。この分子認識をポリマー主鎖で行ったところ,この系においても不斉増幅現象が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画したカリックスアレーンらせん三重鎖構造の合成に成功し,不斉増幅を確認することができたので研究計画通り概ね順調である。合成プラットホームであるビスレゾルシンアレーンの合成にも成功し,計画通り研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,計画通りカリックスレゾルシンアレーンカプセルポリマーやカリックスアレーンポリマーを利用した不斉増幅現象について検討を行い,新たな不斉制御システムの開発に邁進していきたいと考えている。現在,ビスレゾルシンアレーンを修飾した超分子ポリマーの開発に成功しており,これを用いたキラルな非線形応答を検討中である。カリックスアレーンオリゴマーの三重らせん構造も構築には成功しており,これをポリマー構造に展開するために新たなカリックスアレーンポリマー構造の合成を検討中である。
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Research Products
(73 results)