2017 Fiscal Year Annual Research Report
キラルセンシングのためのキラル識別金属ナノ空間の構築
Publicly Offered Research
Project Area | Coordination Asymmetry: Design of Asymmetric Coordination Sphere and Anisotropic Assembly for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
17H05393
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
山内 悠輔 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA主任研究者 (10455272)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ナノポーラス金属 |
Outline of Annual Research Achievements |
互いに鏡像関係にある立体異性体である鏡像異性体を有し,このような鏡像を持つ性質をキラリティ,キラリティを持つ分子をキラルな分子と呼び,一方をL 体,他方をD 体と区別する.そして,生体内の物質の多くは一方の鏡像異性体のみで構成され,生体内では一方の鏡像異性体のみ活性を示し,他方は活性を示さない場合がある.そのため,医学,薬学,食料関連分野においてキラリティを正しく識別し,キラルな分子を作り分ける研究が行われてきた.
本研究では,キラル選択性のある金属細孔表面を作り出し,キラルセンシングの初歩的なデータを出すことに成功した.具体的には,構造のブロックコポリマーを水溶液中でミセル化し,目的とする金属の金属塩類を溶解させる.金属イオンとミセル表面との効果的な相互作用を促すように,ブロックコポリマーの親水部を予め設計しておいた.その後,化学還元法を用いて合成したメソポーラスPd / Ptナノ粒子は,高い表面積を有し,かつ導電性を維持している.メソポーラスPd / Ptナノ粒子の合成中にL-またはD-DOPA(3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン)エナンチオマーを導入することにより,L-またはD-DOPA分子のキラリティーにそれぞれ感受性のある多孔性Ptシェルを作製することができた.実際,DOPAエナンチオマーの高感度電気化学的検出を実証した.D-DOPAやL-DOPAにより分子転写した金属表面は,D-DOPAやL-DOPAに対して親和性がそれぞれあった.再現性の確認,及びD-DOPAやL-DOPAの導入量によるセンシング能力の差異など詳細に評価を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した内容に関して,着実にこなしている.
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Strategy for Future Research Activity |
- リソグラフィー技術により,基板上に導電部位をパターンし,その上でのメソポーラス金属膜の成膜を行う予定.その後,デバイスに直結する技術を確立する.
- 薄膜上にメンブランなどの層を均一に塗布することで,食塩などの阻害物質の影響を抑えることも,考慮に入れていきたい.
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Research Products
(7 results)