2018 Fiscal Year Annual Research Report
超弦理論におけるモジュライの物理について
Publicly Offered Research
Project Area | New expansion of particle physics of post-Higgs era by LHC revealing the vacuum and space-time structure |
Project/Area Number |
17H05395
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 達夫 北海道大学, 理学研究院, 教授 (60322153)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 超弦理論 / モジュライ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、コンパクト空間上の超弦理論の研究であり、その理論特有のモジュライの素粒子物理学的意味合いの研究である。コンパクト空間やモジュライが関わる物理現象を探求していくことは、コンパクト空間上の超弦理論の間接的な検証へつながる。 本年度は、特にトーラスやオービフォルドがもつ幾何学的対称性に注目し、そのようなコンパクト空間上上のD-ブレーン模型のゼロモードが示す対称性を系統的に解析した。そのような対称性は世代間を変換させるような離散的なフレーバー対称性であることを示した。この対称性は、従来のフレーバー対称性と異なり、湯川結合なども変換するような大尉焼成である。さらに、モジュラー群の有限部分群の下で非自明に変換するモジュラー形式の多重項の新たな構成法を見出した。 上述のような超弦理論における成果を踏まえて、場の理論のフレーバーに関する模型の構築も行った。従来、クォーク・レプトンの3世代にフレーバー対称性を課し、その対称性を新たに導入したスカラー場の真空期待値で破ることで、クォーク・レプトンの質量や混合角を導出することが、盛んになされてきた。新しい模型構築のアプローチとして、上述のモジュラー対称性の有限部分群を仮定し、3世代のクォーク・レプトンにその表現をアサインし、なおかつ、湯川結合や右巻きニュートリのマヨラナ質量もその有限部分群の非自明表現となるモジュラー形式であると仮定し、クォーク・レプトンのフレーバーの模型構築を行った。このアプローチは、新たに対称性を破るスカラー場の導入が必要なく、その点では、ミニマルなフレーバー模型となっている。また、コンパクト空間の幾何学的対称性とフレーバー対称性が関連付けられ、クォーク・レプトンの質量と混合角が導出されるので、非常に注文を集めている。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)