2018 Fiscal Year Annual Research Report
超対称素粒子模型の真空構造解明とインフレーション宇宙の新展開
Publicly Offered Research
Project Area | New expansion of particle physics of post-Higgs era by LHC revealing the vacuum and space-time structure |
Project/Area Number |
17H05402
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
石渡 弘治 金沢大学, 数物科学系, 助教 (40754271)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | インフレーション / 素粒子論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は宇宙の真空構造解明を目標としている。本年度はとりわけ宇宙初期における宇宙の真空構造にフォーカスして研究を行なった。初期宇宙における真空構造は、現在と比べると全く異なっていることが明らかになっている。宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の精密観測によれば、宇宙誕生後間も無く真空エネルギーが宇宙を満たし、宇宙の加速膨張、つまりインフレーションが起こったことが 強く示唆されている。しかし素粒子標準理論では、インフレーションを説明することができないため、新しい素粒子理論が必要である。その新理論の候補として有力なのが超対称模型だ。超対称という性質は、万物の理論の最有力候補である超弦理論が予言するものであり、標準理論をより大きなゲージ理論にはめ込んだ大統一理論との整合性も高い。そこで本研究では、理論が持つ対称性をさらに高め、超共形対称性を持つインフレーション理論を考えた。この理論は先行研究でも研究されていた理論であるが、これまで気づかれなかった新しいインフレーション機構が隠れていることを本研究で発見した。 この新しいインフレーション機構を詳しく解析した結果、CMBの観測結果が示す宇宙論パラメータとこのインフレーション理論の予言値が非常によく一致することが明らかになった。さらに、インフレーションを特徴付ける真空エネルギーのスケールが大統一理論のスケールに一致することも判明した。これらの結果は、この新しいインフレーション理論と超対称大統一理論の関連性を示唆するとともに、初期宇宙の真空構造を決める上で超共形対称性という対称性が重要な役割を果たしている可能性を示すものである。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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