2018 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental study on variable modes of faulting around the updip limit of the subduction-zone seismogenic zone
Publicly Offered Research
Project Area | Science of slow earthquakes |
Project/Area Number |
17H05413
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
金川 久一 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (40185898)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 沈み込み帯 / 地震発生域上限付近 / 断層運動 / 摩擦実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
東北沖日本海溝で沈み込む太平洋プレート被覆層チャートの主成分であるオパールについて、封圧150 MPa、間隙水圧50~130 MPa、温度23~200℃の条件で軸方向変位速度を0.1, 1, 10 μm/sの間でステップ状に変化させながら三軸摩擦実験を行い、定常摩擦強度とその変位速度依存性(正ならば安定で非地震性、負ならば不安定で地震性となり得る)に関して、以下の結果を得た。 1)間隙水圧50 MPaで温度を変化させた実験から、温度上昇または変位速度低下に伴って定常摩擦強度が増大し、定常摩擦係数の変位速度依存性が減少して正から負へと変化することが明らかとなった。高温の実験後試料は基質が密で粒子間の癒着が認められ、圧力溶解の作用を示唆している。従って、温度上昇または変位速度低下に伴って圧力溶解の活動度が増大し、それに伴って粒子間の癒着が促進されて定常摩擦強度が増大し、その結果、その変位速度依存性が減少して正から負へと変化し、非地震性断層運動から地震性断層運動への遷移を促すと考えられる。 2)温度50℃で間隙水圧を変化させた実験から、軸方向変位速度0.1 μm/sの場合に間隙水圧上昇に伴って定常摩擦係数の変位速度依存性が減少し、正から負へと変化することが明らかとなった。この温度(50℃)では、最も低速な軸方向変位速度0.1 μm/sの場合に圧力溶解の影響が認められ、それにより定常摩擦係数の変位速度依存性の間隙水圧による変化が現れたものと考えられる。この結果は、非地震性断層運動と地震性断層運動の遷移領域で間隙水圧が上昇すると、定常摩擦係数の変位速度依存性が負の小さな値へと変化し、スロー地震性の断層運動を促すことを意味している。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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