2018 Fiscal Year Annual Research Report
簡便かつ安価な合成法を用いた新規Pb,Bi含有酸フッ化物の物質探索
Publicly Offered Research
Project Area | Synthesis of Mixed Anion Compounds toward Novel Functionalities |
Project/Area Number |
17H05489
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
岡 研吾 中央大学, 理工学部, 助教 (80602044)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アニオン複合化物 / 酸フッ化物 / 可視光応答光触媒 / フッ化物イオン伝導 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は本新学術領域内の共同研究により以下のような成果を得た。 ・Pbを含む酸フッ化物の可視光応答光触媒特性を調べた。パイロクロアPb2Ti2O5.4F1.2は2.4 eVのバンドギャップを持ち可視光を吸収する。精密構造解析と計算化学を組み合わせた結果、Pbの6s電子とO/Fの2p電子の間で起こるRevised Lone Pair(RLP)と呼ばれる効果が、バンドギャップの縮小に大きな役割を果たしていることがわかった。アニオンサイトを酸素とフッ素で複合化した結果、Pb周囲のアニオン配位状況が変化し、短いPb-O結合ができたことが大きな要因である。さらにパイロクロアPb2Ti2O5.4F1.2と同じくPbとTiを含む酸フッ化物Pb2Ti4O9F2の可視光応答光触媒特性を比較も行った。紫外可視分光で吸収端を見積もった結果、Pb2Ti4O9F2の方がよりバンドギャップが開いていることがわかった。つまりRLP効果が弱いと考えられる。精密構造解析の結果から、パイロクロアPb2Ti2O5.4F1.2とPb2Ti4O9F2を比較すると最も短いPb-O結合の長さは前者の方が短いことがわかった。以上のように、該当年度の研究でRLP効果を活かした可視光応答光触媒の物質設計指針に繋がる成果を得ることができた。 ・Pbを含むフッ化物パイロクロアについて、フッ化物イオン伝導特性を調べた。19F NMRを行うことにより、スペクトルの線幅の温度変化から、構造内でフッ化物イオンが動的な状態にあることがわかった。これはフッ化物イオン伝導が起こっているという決定的な証拠であり、今後研究をまとめる上で重要な成果を得ることができた。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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