2017 Fiscal Year Annual Research Report
Photodynamics on Metal Oxynitride Photocatalysts
Publicly Offered Research
Project Area | Synthesis of Mixed Anion Compounds toward Novel Functionalities |
Project/Area Number |
17H05491
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
山方 啓 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60321915)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 光触媒材料 / 欠陥準位 / 時間分解赤外分光 / キャリアーダイナミクス / 再結合速度 / トラップ |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、これまでに、独自の時間分解可視中赤外時間分光装置を用いて、金属酸化物・酸窒化物などの光触媒材料における光励起キャリアーの寿命だけではなく、粒子の表面欠陥の深さや、そこにトラップされたキャリアーの挙動を解明する新しい解析手法を開発してきた。特に、これまで謎に包まれていたアナターゼ型とルチル型、ブルッカイト型TiO2粉末表面に存在する欠陥への電子トラップ過程とトラップ準位の深さの評価を行ってきた。今回、東北大学と九州大学と共同研究を行い、ブロンズ型構造を有するTiO2(B)粉末欠陥への電子トラップ過程を調べた。その結果、TiO2(B)のバンドギャップを励起して生成した光励起電子は、ルチルやブルッカイト型と同様に光照射後数ピコ秒以内に欠陥準位に捕捉されることが分かった。また、この欠陥準位の深さは伝導帯から約0.5 eV低い位置にあり、ルチルよりも浅くブルッカイトと同程度であることが分かった。 次に、ファインセラミックスセンターと共同研究を行い、これらの4つの酸化チタンにおける欠陥準位の計算をして頂いた。その結果、アナターゼ型の場合電子はトラップされず非局在化することが分かった。一方、ルチルとブルッカイト、TiO2(B)の欠陥準位の深さはそれぞれ0.70, 0.53, 0.57 eVとなり、我々の実験結果と極めて良く一致した。つまり、我々の時間分解分光測定により、欠陥に捕捉された電子の挙動やエネルギー準位を正確に調べることができることが実証された。よって、今後、この時間分解分光測定を行うことで、他の複合アニオン材料のアニオン欠陥準位やそこに捕捉されたキャリアーの挙動を明らかにできることを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
申請者はA02の解析班として、さまざまな合成グループが創り出した材料の物性や新しい機能が発現するメカニズムを明らかにすることが期待されて当新学術領域に採択された。今年度は、数多くの研究グループと共同研究を行い、TiO2(B)以外にも、NやF, Taなどを共ドープしたTiO2やC3N4,還元型SrTiO3などの材料に光を照射して生成する光励起キャリアーの挙動を明らかにしてきた。これらの成果は、期待値以上の多くの学術論文として出版されたため、当初の計画よりも大きな成果を上げたと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は可視光に応答するNやFをドープしたTiO2や、可視光を用いて高い活性で水を還元できるGaN:ZnO光触媒、Bi4NbO8Cl光触媒の欠陥における光励起キャリアーの挙動を解明し、製造法の違いによって欠陥準位の深さや数がどのように変化するかを明らかにする。このような研究を行うことで、より高い活性を有する光触媒の製造方法の確立に貢献する。
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[Journal Article] Undoped Layered Perovskite Oxynitride Li2LaTa2O6N for Photocatalytic CO2 Reduction with Visible Light2018
Author(s)
T. Oshima, T. Ichibha, K. Qin, K. Muraoka, J. Vequizo, K. Hibino, R. Kuriki, S. Yamashita, K. Hongo, T. Uchiyama, K. Fujii, D. Lu, R. Maezono, A. Yamakata, H. Kato, K. Kimoto, M. Yashima, Y. Uchimoto, M. Kakihana, O. Ishitani, H. Kageyama and K. Maeda
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Journal Title
Angewandte Chemie International Edition
Volume: 57
Pages: 8154~8158
DOI
Peer Reviewed
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