2018 Fiscal Year Annual Research Report
死細胞が残した細胞間シグナルネットワークを介した創傷治癒制御
Publicly Offered Research
Project Area | Homeostatic Regulation by Various Types of Cell Death |
Project/Area Number |
17H05504
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
榎本 将人 京都大学, 生命科学研究科, 助教 (00596174)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 死細胞 / 細胞間コミュニケーション / 創傷治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
多細胞生物において組織の損傷によって細胞死を起こした細胞は、死にゆく一方で生き残った細胞にシグナルを発して損傷の修復や組織再生を促すことが示されつつある。しかしながら、組織の損傷修復・再生に関わる個々の生命現象の知見を集約するだけでは創傷治癒システムの制御基盤を理解することはできない。なぜなら、組織の損傷修復・再生過程では代償性増殖、組織リモデリングや細胞運命転換といった複数の生命現象が時間的・空間的に制御されており、これらが有機的に機能することで創傷治癒という複雑な生体応答を実現している。すなわち、創傷治癒システムの動作原理を解明するには、このような生存細胞集団の動的変化を制御・統括する死細胞のダイイングコードの分子実体とその制御メカニズムを理解する必要がある。 本研究では、ショウジョウバエ上皮をモデルとして組織に物理的な損傷を誘導した際に生じた細胞死に応答して細胞内シグナル伝達活性が損傷部位から生存細胞間を伝播することによって組織の広範囲に広がることを見出し、その分子機構を明らかにした。さらに、このシグナル活性の細胞間伝播を抑制すると損傷組織の修復・再生異常が生じた。すなわち、死細胞が駆動するシグナル伝達活性の細胞間の伝播現象が死細胞のダイイングコードとして生存細胞の挙動を時空間的に制御し損傷の修復・再生を促していくことが分かった。この結果は、死細胞が制御する生体制御システムに新たな概念を提示するものといえる。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)