2017 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄内酸素環境が及ぼす破骨細胞動態のin vivo解析
Publicly Offered Research
Project Area | Oxygen biology: a new criterion for integrated understanding of life |
Project/Area Number |
17H05530
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西川 恵三 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (30516290)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / 酸素 / 寿命イメージング / イリジウム錯体 / 酸素イメージング / リン光 / エネルギー代謝 / 二光子励起顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の代表者は、破骨細胞の研究に長年取り組んでおり、近年、破骨細胞分化の制御において好気的代謝が重要な役割をもつことを見出している。しかし、骨組織は低酸素の臓器であると考えられており、好気的代謝を利用する細胞の存在は一見パラドックスである。しかしながら、生体内で種々の細胞が晒されている酸素分圧は全く明らかにされておらず、さらに生体内酸素環境に応じて細胞の状態がどのように影響を受けるかをin vivoで明らかにした研究はない。近年の生体イメージング技術の進歩は、生体内現象を高い時空間解像度で捉えることを可能にしている。そこで、本研究の目的は、二光子励起顕微鏡を用いた酸素イメージング法を確立し、本法を用いることで破骨細胞内の酸素分圧の絶対定量解析に取り組む。さらに、破骨細胞内の酸素分圧とエネルギー代謝や破骨細胞動態との関係をin vivoで明らかにすることである。これによって、酸素による骨代謝制御の分子基盤を解明することを目標に掲げる。 本年度は、時間相関単一光子計数法を備えた二光子励起顕微鏡を用いて、生きたマウスの骨組織において破骨細胞並びに破骨前駆細胞からの蛍光・リン光を同時に寿命イメージングする実験系を立ち上げた。そして、本法を用いることで、破骨細胞内の酸素イメージング法を確立した。また、破骨細胞内のエネルギー代謝を生体イメージングする手段として、破骨細胞の細胞系列特異的にATPのバイオセンサーGO-ATeamを発現するマウスの系統を作出した。即ち、GO-ATeam をROSA26遺伝子座にノックインしたマウスの系統と破骨前駆細胞特異的にCreを発現するCX3CR1Creを交配することで作出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度では、酸素イメージング法の立ち上げに加えて、エネルギー代謝のイメージングツールの作出にも成功を収めており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本年度立ち上げを行った実験系を活用することで、破骨細胞内の酸素分圧の絶対定量解析に取り組む。さらに、破骨細胞内の酸素分圧とエネルギー代謝や破骨細胞動態との関係をin vivoで明らかにすることを計画している。
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