2018 Fiscal Year Annual Research Report
性的二型回路シフト:シナプスレベルの性差とその発生機構
Publicly Offered Research
Project Area | Mechanisms underlying the functional shift of brain neural circuitry for behavioral adaptation |
Project/Area Number |
17H05552
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
宮道 和成 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (30612577)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | フェロモン / 視床下部 / 性行動 / ウイルス遺伝子工学 / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究グループは、マウスにおいて異性や天敵など異なる化学シグナルが受容された際に、情動や行動において異なる変化が引き起こされる仕組みを、扁桃体・視床下部の神経回路のレベルで明らかにすることを目指した。この目的のために、ウイルス遺伝子工学を用いた脳中枢神経回路の可視化や操作のための技術を導入した。本年度はマウス幼若フェロモンESP22の生理活性とその神経基盤を解析した。2013年、幼若期のマウスが涙液に分泌するフェロモンESP22が雄マウスの幼若マウスへの性行動を抑制する“未成熟のシグナル”として機能することをHarvard大学との共同研究に明らかによって明らかにしていた(Ferrero et al., Nature, 2013)。本研究ではESP22が成熟雌マウスにも受容されることから、その機能の解明に取り組んだ。その結果、ESP22は仔マウスの周辺に居る母親以外の成熟雌マウスの性行動を顕著に抑制するフェロモン活性を有することを新たに発見した。実際、ESP22を長期間暴露した雌雄マウスの繁殖は有意に抑制された。ESP22の神経作用機構を解明するために受容体を探索し、単一のフェロモン受容体を同定した。さらにESP22による性行動抑制に関与する脳領域を特定し、扁桃体・分界条床核・視床下部腹内側核を含む専用の回線によって性行動の抑制が担われることを明らかにした。これらの成果は、雌マウスにおいて性行動を抑制する新たなフェロモンを見出したのみならず、異なるフェロモンがどのように異なる行動を引き起こすのかを明らかにする基盤となるものである。本成果は2018年秋にNature Communications誌に掲載された。(成果:Osakada et al., Nature Communications, 2018)
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)