2018 Fiscal Year Annual Research Report
海馬から海馬外への情報出力経路の行動適応
Publicly Offered Research
Project Area | Mechanisms underlying the functional shift of brain neural circuitry for behavioral adaptation |
Project/Area Number |
17H05575
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
北西 卓磨 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90722116)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大規模計測 / シリコンプローブ / 光遺伝学 / 投射先選択的情報伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、生体脳において投射先を同定した大規模活動計測をおこなうことで、海馬体から下流の複数の脳領域へとどのように情報が分配されるかを明らかにすることを目的としている。本年度は、前年度までに確立した大規模計測における投射先の同定法を活用して、神経活動データの収集と解析を進めた。ラットの海馬体にチャネルロドプシンと256点からなる多点電極とを導入し、海馬体の主要な投射先領域にはそれぞれ光ファイバーを挿入した。そして、ラットに複数の行動課題 (空間探索課題や作業記憶課題など) を行わせながら100個程度の神経細胞の発火活動を一斉に計測し、さらにその後に、光照射により逆行性の活動電位を誘発することで神経細胞の投射先を同定した。計測した活動データから、スパイクソーティングにより個々の神経細胞の発火タイミングを抽出し、オフラインのデータ解析に供した。神経細胞が持つ各種の情報 (場所情報・頭方向情報・作業記憶情報など) を定量するとともに、海馬体で観察される各種の局所電位 (シータ波・ガンマ波・リップル波など) に対する発火リズム、また、各種の行動状態 (課題遂行時・安静時・レム睡眠時・ノンレム睡眠時) における発火パターンの精査をすすめた。その結果、海馬体の投射細胞は、投射先の脳領域によって、異なるパターンで活動し、異なる種類の情報を伝達することを示唆する予備的データを得た。この結果は、海馬体が投射先選択的に情報を分配して伝達することを示唆するものである。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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