2018 Fiscal Year Annual Research Report
運動学習をささえる小脳シナプス回路シフト
Publicly Offered Research
Project Area | Mechanisms underlying the functional shift of brain neural circuitry for behavioral adaptation |
Project/Area Number |
17H05579
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
掛川 渉 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (70383718)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 細胞接着型GPCR / シナプス改変 / 記憶学習 / 生後発達 / 小脳 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動学習をささえる小脳の神経回路は、生後発達期に劇的な回路シフトを伴う。これまで私たちは、小脳登上線維-プルキンエ細胞シナプス (CFシナプス) の改変過程を追究し、新規C1qファミリー分子のC1qL1が重要な役割を果たしていることを明らかにした (Kakegawa et al., Neuron 2015)。CFシナプスから分泌されたC1qL1はプルキンエ細胞に発現する細胞接着型GPCRであるBAI3と結合することによりCFシナプスの形成・強化をもたらす。そこで、本研究では、小脳シナプス回路のシフト過程を理解することを目的として、C1qL1-BAI3シグナルを追究することにした。 本年度は、成熟期におけるBAI3の機能について研究を行った。まず、成熟BAI3-KOマウスのプルキンエ細胞にBAI3を強制発現させると、成熟期にもかかわらず、BAI3-KOマウスに見られるCFシナプスの形態・機能不全がほぼ完全に回復した。それに対し、C1qL1と結合しうる領域を欠損させた変異型BAI3を発現させると、KOマウスの異常表現型の回復は認められなかった。次に、正常型BAI3を成熟した野生型マウスのプルキンエ細胞に強制発現させると、驚くべきことに、隣のプルキンエに投射していたCFが分岐し、BAI3強制発現細胞に対しても投射するようになった。また、この現象はC1qL1結合に依存していることも変異型BAI3の発現によりわかった。これらの結果から、C1qL1-BAI3結合は成熟期においても作用し、小脳回路をダイナミックに改変させうることが示唆された(投稿準備中)。 さらに私たちは、C1qLファミリー分子やBAI3が筋細胞にも発現していることを見つけ、それらの相互作用が筋芽細胞間の融合過程に関与していることも明らかにした。今後、C1qL-BAI3結合の生理的重要性についてさらに検討していきたい。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)