2018 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外環境制御による脳・脊髄損傷後の再生治療とその機能回路回復
Publicly Offered Research
Project Area | Mechanisms underlying the functional shift of brain neural circuitry for behavioral adaptation |
Project/Area Number |
17H05584
|
Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
武内 恒成 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90206946)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 神経再生 / 脊髄損傷 / コンドロイチン硫酸 / 逆行性ウイルスベクター |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経系における細胞外マトリックス糖鎖発現を中心とした局所の細胞外環境制御によって、損傷神経の生理機能回復を目的として研究を進めてきた。 技術面においては、本学術領域で確立した脊髄回路の再生再編のトレーシング技術を推進している。 A) 糖鎖構造発現に関わる酵素であるChGn1のKOマウスにおける脊髄損傷後修復は、現在知られる損傷回復モデルの中では最も回復が早い。このChGn1酵素はコンドロイチン硫酸(CS)の合成過程で重要かつ最初期に発現制御に関わる酵素である。CSは、細胞外マトリックスのうち中枢神 再生にとって最大の再生阻害因子として知られている。CSが神経系組織で機能を果たすにあたって重要な存在の場としてペリニューロナルネット(PNN)という構造体に着目している。CSの発現量と局在と、PNNとの相関を中心に、中枢神経再生時の回路再編成との相関を、脊髄回路のトレーシング技術を用いて明らかにしつつある。ChGn1KOマウスとともにこのChGn1に対する遺伝子ノックダウン系を開発し、逆行性ウイルスベクターによる再生回路と、PNNの発現タイミングを可視化した。PNNにはNGFやセマホリンなどの遠位性因子がトラップされることで回路再編を制御していることも解った。 B) PNNの糖鎖構造を維持するための骨格タンパク質であるアグリカンをノックダウンすることで、再生回路との関連を相関を調べた。PNNを骨格構造とともに消去すると、神経再生機能および回路再編のタイミングがずれることが解った。PNNは神経再生時のさまざまなゲート機能を果たしていることが解りつつある。 ③ 細胞外環境制御に起因する中枢回路再生と、iPS細胞はじめ再生治療に向けての細胞移植などによる神経自律的回復との違いの解析を進めた。今後の再生医療において、移植等による自律的回復だけではなく、再生環境整備の重要を示しつつある。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|