2018 Fiscal Year Annual Research Report
X染色体不活性化を制御する新規non-codingRNAの解析
Publicly Offered Research
Project Area | Neo-taxonomy of noncoding RNAs |
Project/Area Number |
17H05597
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小林 慎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (10397664)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | X染色体の不活性化 / エピジェネティクス / Long non-coding RNA / 非メンデル性遺伝 |
Outline of Annual Research Achievements |
X染色体不活性化(XCI)は、哺乳類の雌の発生に必須なエピジェネティック制御機構である。Ftxはタンパク質をコードしない長いRNA(lncRNA)であり、培養細胞実験はXCIでの働きを示唆するが、生体での生理的機能は不明である。個体での機能を明らかにするためにFtxノックアウト(KO)マウスを作製したところ、一部の雌KOマウスがヒトの小(無)眼球症に似た症状を示した。興味深いことにこの表現型は雄のKOマウスでは見られない。従来の遺伝学では、FtxのようなX染色体上にコードされた遺伝子のKOは、通常雄(-/Y)が雌(-/+)よりもより重篤な表現型を示すはずで、このような遺伝パターンは説明がつかない。またFtxKOマウスは同じゲノム配列を持つにもかかわらず、表現型の有無やその重篤度に個体間でばらつきがあることが分かった。マイクロアレイ、qPCR、RNA-FISH解析からFtx KOマウスでは、一部のX連鎖遺伝子が不活性化X染色体上で活性化しており、XCIが異常を示すことを明らかにした。XCIの異常が、表現型が雌のみで検出される原因であることを示唆している。さらに、FtxKOマウスではXCIの主な制御因子であるXistRNAの発現レベルが低下し、FtxがXistの発現上昇の機能を持つことを明らかにした。一方、アレイ発現解析から、個体間での不活化の異常を示す遺伝子の数のばらつきがKOマウスの表現型の有無と相関があることを明らかにした。これらの結果から、Ftxは正常なXCIの制御・目の発生に必要であり、XCIの異常が従来の遺伝学に従わない遺伝パターンを示す新しい発症メカニズムを提唱した(Hosoi Nat Commun 2018)。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)