2017 Fiscal Year Annual Research Report
Roles of orphan CLIPed-ncRNA operating elements in the nervous system
Publicly Offered Research
Project Area | Neo-taxonomy of noncoding RNAs |
Project/Area Number |
17H05598
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
矢野 真人 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (20445414)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | RNA結合蛋白質 / HITS-CLIP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題にて、マウス胎生期において神経幹細胞に限局した発現パターンを有するRNA結合蛋白質Qki5に着目した解析を行ってきた。神経幹細胞におけるHITS-CLIP解析により、Qki5の結合するRNA部位をトランスクリプトームワイドに同定した。その結果、主な結合部位として、遺伝子中のイントロン配列と遺伝子間に存在する非コードRNA領域に二分されていることが分かった。Qk遺伝子をノックダウンした神経幹細胞におけるRNAシークエンス解析との統合解析させた結果、Qki5が結合するイントロン領域では、選択的スプライシングエクソンに対し、3モードのRNAプロセシングの機能ルールを示すことを見出した。一方で、この本機能ルールで説明不能な機能未知のオーファンHITS-CLIPクラスターが、イントロン領域に存在する。そのひとつの機能として、イントロン中に存在するmiRNAのプロセシングへの関与を見出した。イントロン性およびインタージェニックにおけるオーファンCLIPed結合部位についても、今後さらに追求していく予定である。神経幹細胞におけるQki5の生理機能に関しては、HITS-CLIP解析により同定したQki5の標的892遺伝子に対し、KEGG解析を実施することで、細胞間接着や細胞極性に関わるベータカテニン分子経路の異常を見出した。Qk遺伝子の神経幹細胞におけるコンディショナル欠損マウスを用いた生化学的解析により、このベータカンテンシグナルに関わる3つの重要なスプライシング異常を見出すとともに、組織学的解析により、神経幹細胞の極性や細胞間接着異常の予測の実証に成功することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経幹細胞におけるQki5のHITS-CLIP解析に関する論文を発表できたことで、研究計画は順調に進んでいるものと考えられる。その一方で、運動ニューロンにおける解析について、必要となるマウスの樹立、検証に少し遅れがでている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、さらにイントロンRNAにQki5が結合することでおよぼす非コードRNAについて、miRNA以外についても追跡し、インタージェニック領域のQki5のRNA結合性の意義にも迫りたい。また、運動ニューロンに関する解析がマウスの作成検証段階での若干遅れについて、代替手段として、運動ニューロン様細胞や、iPS細胞由来の運動ニューロン細胞を用いた解析を実施するなどの対策を持って研究を進めている。
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Research Products
(5 results)