2018 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロクロマチン形成におけるXist RNAの作動エレメントの役割
Publicly Offered Research
Project Area | Neo-taxonomy of noncoding RNAs |
Project/Area Number |
17H05606
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
佐渡 敬 近畿大学, 農学部, 教授 (70321601)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ヘテロクロマチン / ヒストン修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
Xist RNAの機能に不可欠な作動エレメントを欠失した変異型Xist RNAが招く,X染色体不活性化の異常を解析することで,その作動エレメントがクロマチン制御に果たす役割を理解することを目的として研究に着手した.遺伝子サイレンシングに重要なAリピートが不活性X染色体に特有なヒストン修飾の分布におよぼす影響を調べるために,2本のX染色体を区別できる雑種ESCを利用した解析系を考えた.当初は,Aリピート欠損RNAを発現する胚盤胞から樹立したESCを用いたが,分化誘導後頻繁に観察されるX染色体の消失のために,計画の見直しを行った.新たに野生型のメスの雑種ESCを樹立し,2本のX染色体のそれぞれに異なる薬剤耐性遺伝子を挿入した.このESCは,それら2種の薬剤存在下で培養する限り,2本のX染色体を安定に維持すると期待される.こうして樹立された雑種ESCが依然X染色体不活性化を引き起こす能力を保持しているか適切に評価したのち,改めて一方のX染色体においてAリピートの改変をを行った.得られたESCが改変を持つ胚のエピブラストの細胞と同様の表現型を示し,正常なX染色体不活性化が起きていないことが強く示唆された.当初の計画よりやや遅れてはいるものの,クロマチン修飾におけるAリピートの作動エレメントとしての役割の解析をRNA-seqやChIP-seqで解析する準備が整った. また,CRISPR/Cas9を用いてメスのESCにおいてXist遺伝子に新たな欠失を導入し,Xist RNAによる遺伝子サイレンシングにおよぼす影響をRNA-FISHで解析した結果,Xist RNAの作動エレメントとして重要な役割を果たす可能性ある領域を見出した.この領域の欠失は,必ずしもサイレンシングを損ねているのではなく,サイレンシングを完了するまでの時間を著しく遅延させているという可能性もある.
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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