2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a new force inference method for cell competition studies
Publicly Offered Research
Project Area | Cell competition: a mechanism for survival of the fittest in the multi-cellular community |
Project/Area Number |
17H05617
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉村 薫 京都大学, 高等研究院, 特定拠点准教授 (50466033)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 力学 / 細胞競合 / ベイズ統計 / 形態形成 / ガン |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞競合は、細胞の適応度の差を認識してより高い質の細胞を選別する、多細胞生物の発生・維持に必須の過程である。ここ数年で、分泌性因子などを介した化学的相互作用に加えて、力学的相互作用が細胞競合に必須の役割を果たすことが示唆されつつある。しかしながら、細胞競合過程における力の時空間動態の定量化が技術的に難しいことから、既存研究の多くは、細胞競合と力の関連性を示すにとどまっている。 本研究は、上皮細胞競合解析に最適化された力のベイズ推定法を開発し、細胞競合の力学制御の研究を推進することを目的とする。力のベイズ推定法は、力の釣り合い(尤度)と系に対する事前知識(事前分布)のかけ算を最大にするように、力を推定する(最大事後確率推定) (Ishihara and Sugimura. 2012)。今回、我々は、細胞競合のwinnerとloserが力学的に異なる特性を持ちうるという事前分布を導入することで、細胞競合解析に最適化された手法を定式化した。開発した手法の性能を数値計算データを用いて評価したところ、新手法は旧手法に比べて、推定の正確性が向上していることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理論的な改良の余地は残されているものの、)既存手法よりも優れた二種細胞系力推定法を定式化できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
開発手法の生体内評価に取り組む。具体的には、 レーザーレーサ破壊法などの侵襲的な手法による力の見積もりやミオシンなどの力を生成する分子の細胞内局在と力の推定値を比較する予定である。さらに、領域内の共同研究により、開発し た力推定法を様々な上皮組織に適用し、上皮細胞競合過程における力の動態を定量的に解析する。
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