2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a new force inference method for cell competition studies
Publicly Offered Research
Project Area | Cell competition: a mechanism for survival of the fittest in the multi-cellular community |
Project/Area Number |
17H05617
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉村 薫 京都大学, 高等研究院, 特定拠点准教授 (50466033)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 細胞競合 / 力学 / ベイズ推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞競合は、細胞の適応度の差を認識してより高い質の細胞を選別する、多細胞生物の発生・維持に必須の過程である。ここ数年で、分泌性因子などを介した化学的相互作用に加えて、力学的相互作用が細胞競合に必須の役割を果たすことが示唆されつつある。しかしながら、細胞競合過程における力の時空間動態の定量化が技術的に難しいことから、既存研究の多くは、細胞競合と力の関連性を示すにとどまっている。 本研究ではこれまでに、細胞競合のwinnerとloserが力学的に異なる特性を持ちうるという事前分布を導入することで、細胞競合解析に最適化された力のベイズ推定法を定式化し、さらに、数値データを用いた解析から、新規手法では推定の正確性が向上していることを確認していた。 2018年度と2019年度は、開発した力推定法を上皮細胞競合の実験データに適用し、手法の生体内評価および上皮細胞競合の力学の解析を実施した。まず、ショウジョウバエ背板上皮のRasV12クローンでは、クローン内部と比べて境界面で細胞接着面の張力が高まるという過去の論文 (Bosveld et al. Development, 2016) と整合的な結果を得た。つづいて、新学術細胞競合領域公募班メンバーである、生理学研究所古瀬研究室大谷哲久助教との共同研究により、ZO-1/ZO-2ダブルノックアウト哺乳類培養上皮細胞の細胞競合を解析した。その結果、クローン境界部で細胞接着面張力が高まり、クローン内部で弱まることが明らかになった。細胞競合解析に最適化された力のベイズ推定法の有用性が示唆されたので、今後も共同研究を通じて、幅広い細胞競合現象の力学過程の解析に取り組んでいく予定である。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|