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2017 Fiscal Year Annual Research Report

Various mechanisms of cell competition in mouse embryos

Publicly Offered Research

Project AreaCell competition: a mechanism for survival of the fittest in the multi-cellular community
Project/Area Number 17H05618
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

佐々木 洋  大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (10211939)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
Keywords細胞競合 / マウス初期胚 / 細胞間コミュニケーション
Outline of Annual Research Achievements

細胞競合のしくみやその生体における役割は、未だその多くが不明であり、特に哺乳類において、細胞競合が個体の発生に果たす役割の研究は立ち遅れている。本研究では、我々が開発したNIH3T3細胞の細胞競合系を用いたスクリーニングにおいて同定した新規細胞競合関連遺伝子の中から、マウス初期胚での細胞競合に関与する遺伝子を明らかにすることを目的とする。また、これら遺伝子も含めた様々な遺伝子による細胞競合を比較し、マウス胚における細胞競合の多様性と共通性とを明らかにすることを目的として研究を行った。まず、遺伝子ノックアウトES細胞を用いたキメラマウス胚の作製により、任意の遺伝子のマウス初期胚における細胞競合への関与を検定できる系を作成した。NIH3T3細胞を用いて同定した新規細胞競合関連遺伝子については、培養細胞では明確に細胞競合を起こしたが、キメラマウス胚の作製による方法で、いずれの遺伝子も初期胚発生では明確な競合を起こさないか、変異胚が発生異常を示すため、変異細胞の排
除が細胞競合の結果かどうかわからないという結果になってしまった。一方で、ハエなど他の系で細胞競合を起こすことが分っているp53、Myc、Tead-Yapについては、その変異細胞と正常細胞とのキメラ胚が初期胚において細胞競合を起こすことを明らかにした。p53の変異細胞は強力な勝者に、Mycは弱い敗者に, Tead1-Yap1の変異細胞は強力な敗者になった。p53について詳細な解析を行ったところ、ESキメラ胚では着床前のエピブラストで細胞死による過剰細胞の排除が起きるが、その際の細胞死がp53依存的であり、p53変異細胞ではこの細胞死が抑制されることで細胞競合の勝者となっていることを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、当初、培養細胞におけるスクリーニングで得られた新規遺伝子を中心に、マウス初期胚にみられる様々な細胞競合機構の比較をすることを目的としていたが、ES細胞を用いた独自のキメラマウス初期胚による細胞競合系を作成し、検討したところ、残念ながら新規遺伝子の中にマウス初期胚で明確な細胞競合を起こす遺伝子は存在しなかった。しかしながら、その代わりに、他の系で細胞競合に関与する事が知られている遺伝子について、新たにキメラマウス初期胚における細胞競合への関与を明らかにすることができた。さらに、p53における細胞競合について詳細な解析を進めたところ、これまでに、ESキメラマウス胚の発生においてエピブラスト細胞の過剰がp53依存的な細胞死によって解消されており、それによりp53変異細胞が細胞競合の勝者になっている、という新規の知見を得ることができている。これらの研究成果は、今後細胞競合機構の比較のための基盤となる重要な知見であり、研究はおおむね順調に進展しているといえる。

Strategy for Future Research Activity

当初予定していた、新規遺伝子による細胞競合は見られなかったが、代わりに既存遺伝子のキメラマウス初期胚における新たな役割を明らかにすることができた。そこで、既存の遺伝子p53, Tead-Yap, Mycについて、それぞれの変異が起こす細胞競合について比較を行うとともに、それらの間の関係性の有無を解析する。さらに、私の研究室の別の研究で確立したESキメラ胚によらない初期胚における細胞競合解析系を用いて、それら遺伝子による細胞競合が初期胚発生に果たす役割の比較解析を行う。

  • Research Products

    (3 results)

All 2017

All Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results,  Invited: 2 results)

  • [Presentation] Tead activity controls cell competition around implantation stage2017

    • Author(s)
      Sasaki, Hiroshi
    • Organizer
      3rd Cell Competition International Symposium: Cell Competition in Development and Cancer
    • Int'l Joint Research / Invited
  • [Presentation] Tead activity-triggered cell competition as a safeguard during establishment of epiblast in mouse embryos2017

    • Author(s)
      Sasaki, Hiroshi
    • Organizer
      EMBO workshop on the Hippo pathway across species and disciplines
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Tead活性の違いによる細胞競合がマウスの初期胚発生にはたす役割2017

    • Author(s)
      佐々木 洋
    • Organizer
      生命科学系学会合同年次大会 ConBio2017
    • Invited

URL: 

Published: 2018-12-17  

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