2017 Fiscal Year Annual Research Report
肥満と加齢による表皮幹細胞・前駆細胞枯渇のメカニズムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Establishing a new paradigm of the pathogenesis of diseases through the understanding of stem cell aging |
Project/Area Number |
17H05640
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
豊島 文子 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 教授 (40397576)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 皮膚 / 老化 / 表皮幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚は、表皮基底層に存在する表皮幹細胞が常に新しい細胞を供給することによって、新陳代謝を繰り返している。我々はこれまでの研究で、急速に皮膚が伸展する妊娠マウスの腹部皮膚において、表皮幹細胞を由来とする増殖性の高い細胞群を発見し、この細胞群の出現は転写因子Tbx3に依存すること報告した。本年度は、肥満モデルマウスと加齢マウスを用いて、皮膚の老化における表皮幹細胞とTbx3陽性細胞のダイナミクスについて解析を行った。その結果、肥満マウスと加齢マウスの後肢皮膚では、Tbx3陽性細胞が顕著に減少することが分かった。また、表皮幹細胞の分裂様式を検討したところ、1)非対称分裂(幹細胞とTA細胞)、2)対称分裂(二つの幹細胞)、3)対称分裂分化(二つのTA細胞)のうち、1)3)の分裂様式が低下していた。従って、表皮幹細胞の分裂様式の変化がTbx3陽性細胞の減少につながる可能性が示唆された。次に、真皮細胞の関与について検討したところ、真皮の筋繊維芽細胞が肥満・老化に伴うTbx3陽性細胞の減少に関与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に記載した年次計画に沿って研究を進め、おおむね予想通りの結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、特に表皮幹細胞の分裂パターンに着目して解析を進めることにより研究効率を上げ、研究期間内での論文投稿・発表を目指す。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Tbx3-dependent amplifying stem cell progeny drives interfollicular epidermal expansion during pregnancy and regeneration2017
Author(s)
Ichijo, R., Kobayashi, H., Yoneda, S., Iizuka, Y., Kubo, H., Matsumura, S., Kitano, S., Miyachi, H., Honda, T., and Toyoshima, F.
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Journal Title
Nat. Commun.
Volume: 8
Pages: 508
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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