2018 Fiscal Year Annual Research Report
胸腺上皮幹細胞の早期老化機構の解明とその制御
Publicly Offered Research
Project Area | Establishing a new paradigm of the pathogenesis of diseases through the understanding of stem cell aging |
Project/Area Number |
17H05641
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
濱崎 洋子 京都大学, iPS細胞研究所, 教授 (10362477)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 胸腺 / 胸腺上皮細胞 / 幹細胞 / 老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
T細胞の自己寛容を保証する胸腺上皮幹細胞の活性が生後直後から急速に低下するという我々が以前に報告した知見を土台とし、本研究では以下の点を明らかにした。 1)恒常的に細胞老化を来たしSASP因子を放出する胸腺上皮細胞の集合塊(ハッサル小体)を、マウスおよびヒトの胸腺において同定した(Int. Immunol. 2018)。現在、それらSASP因子が胸腺上皮幹細胞の早期低下に寄与する可能性について検証している。 2)これまでのTEC幹細胞活性を測定に用いるコロニーアッセイ法の感度を上昇させるべく改良を行い、活性の低い成獣マウスにおいても定量的に評価することが可能になった(J Immunol Methods. 2019)。またこの方法を用いて、放射線照射やT細胞を除去した成獣マウスのTEC幹細胞の活性測定を行った。これらのマウスでは、胸腺組織の再生や胸腺によるT細胞産生が促進されると想定されるが、胸腺細胞数が最も顕著に低下する時期に、幹細胞の活性が顕著に増加することが明らかになった。さらに、この時期の胸腺上皮細胞に発現する遺伝子を網羅的に解析し、T細胞数減少に応答してTEC幹細胞の活性を増強させうる候補因子を同定した。現在、当該因子をマウスに静注することで、老齢マウスの胸腺の活動を賦活化する方法を確立すべくさらなる検討を行っている。 3)胸腺退縮の代わりに成獣から胸腺を摘出し、末梢T細胞の加齢変化を促進させるモデルを作製して解析を行った。その結果、加齢に伴い胸腺からの新たなT細胞産生が低下すると、炎症反応を増悪しうるT細胞集団(CXCR3+ naive phenotype CD8 T細胞)が代償的に体内で増加することを見出した。また、この新たに同定されたT細胞分画が、ヒトにも存在することを確認した(Eur J Immunol 2018)。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(23 results)