2017 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of stem cell aging induced by inflammatory stress
Publicly Offered Research
Project Area | Establishing a new paradigm of the pathogenesis of diseases through the understanding of stem cell aging |
Project/Area Number |
17H05651
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
滝澤 仁 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特別招聘教授 (10630866)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 造血幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、様々な炎症性因子が造血幹細胞に対してストレス負荷を与えることで造血幹細胞の機能恒常性を変容・破綻し、悪性転換から細胞癌化へと導くという仮説をたて、慢性炎症ストレス下における造血幹細胞の機能変化と幹細胞癌化への関与を細胞および組織レベルで解析し、それらの分子メカニズムについて明らかにすることを目的としている。 本年度はDSS(デキストラン硫酸ナトリウム)の飲水により誘発される腸管炎症モデルマウスを用いて、急性炎症並びに慢性炎症における造血応答について解析を行った。急性炎症モデルの実験においてはDSSの短期投与により末梢血産生が大きく変化し、骨髄において造血幹細胞ならびに多能性前駆細胞(MPP2)が有意に増加していた。さらに、腸間膜リンパ節においても多能性前駆細胞ならびに未成熟な顆粒球が顕著に増加していた。この結果から、DSSによる腸内炎症により、造血幹・前駆細胞が抹消組織へと遊走している可能性が示唆された。さらに予備実験にて、自然免疫において重要な働きをもつToll様受容体(TLR)シグナリングをブロックさせたMyd88/TRIF欠損マウスを用いて解析を行ったところ、DSSによる腸内炎症を惹起しても、骨髄における造血幹・前駆細胞の増加を認めなかった。このことから、Myd88/TRIFが造血幹・前駆細胞の抹消組織への遊走を制御していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では以下の3つの目的を行う予定で、目的1が順調に進んでいる。 目的1)造血幹細胞の機能変容における腸管炎症の関与 目的2)腸管炎症に起因する造血幹細胞悪性腫瘍化のメカニズム 目的3)原因因子の機能阻害による幹細胞機能維持ならびに幹細胞悪性腫瘍化予防
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Strategy for Future Research Activity |
今後、RNAシークエンスを用いて詳細な分子メカニズムを明らかにするとともに、生体内2光子イメージングならびにすでに確立しているリンパ節イメージング技術を用い、腸間膜リンパ節への造血幹・前駆細胞の遊走の有無についても確認する。さらに、抗菌薬を投与し腸内細菌を減少させたマウスに腸管炎症を惹起し、野生型マウスで見られた造血応答の変化と比較することにより、これらの現象が腸内細菌依存的な反応であるか検討する。さらに、DSS投与を繰り返し行うことにより慢性炎症モデルを作成し、慢性腸炎による造血応答への影響について比較検討を行う
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Research Products
(3 results)