2017 Fiscal Year Annual Research Report
神経の発生と疾患における新生鎖の生成機構と機能
Publicly Offered Research
Project Area | Nascent-chain Biology |
Project/Area Number |
17H05661
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池内 与志穂 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (30740097)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 神経 / 形態 / 新生鎖 / タンパク質合成 / リボソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
神経細胞は、精密にタンパク質合成を制御することによって、適切な形を形成して正しく回路に組み込まれて働くことができる。本研究では、すでにリボソームプロファイリング解析によって見つけた候補新生鎖領域が神経細胞においてリボソームと相互作用してタンパク質合成を制御する機構を明らかにし、さらにその神経細胞の形態形成における役割を解明することで、神経における新生鎖の役割を理解することを目指している。 申請者はこれまでに、神経系細胞において生成されているタンパク質のうち、合成途中でリボソームがmRNA上の特定の位置で停滞するものをリボソームプロファイリング法によって探索することで、リボソームと相互作用して機能を発揮している新生鎖領域の候補を見出している。本年度は、特に、神経特異的に発現しているあるイオンチャネルタンパク質の合成においてリボソームが停滞する現象に着目して解析を行い、神経における役割と、その分子機構について明らかにしつつある。リボソーム停滞部位において短いペプチド鎖が生成する可能性にも着目して解析をおこなっている。ペプチド鎖を化学合成し、細胞に取り込ませることによって、その機能や分子機構を調べるための解析も行っている。 また、軸索におけるタンパク質合成の解析を行うため、大量に軸索を培養する手法を確立した。実際に培養した軸索を解析し、生化学解析に十分な量のタンパク質やRNAを得ることを確認できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
設定した目標に対して着実に研究を積み重ねており、概ね順調に進展していると考えている。 これまでの研究の成果の一部を、Stem Cell Reports誌に投稿し、受理された。Journal of Neuroscience誌にも成果を投稿中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
すでに進めている研究を発展させるため、候補新生鎖のより詳細な解析を行う。 また、軸索内部におけるタンパク質合成の様子を、リボソームプロファイリング法によって網羅的に解析する。
|
Research Products
(1 results)