2018 Fiscal Year Annual Research Report
新生鎖VemPの翻訳伸長停止/解除機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Nascent-chain Biology |
Project/Area Number |
17H05666
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 博幸 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 准教授 (10243271)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | VemP / SecDF / タンパク質膜透過 / ビブリオ菌 / 翻訳伸長停止 |
Outline of Annual Research Achievements |
Vibrio菌は、2種類のSecDFパラログを保持しており、高Na+環境下ではNa+駆動型SecDF1のみを利用するが、低Na+条件下ではプロトン駆動型のSecDF2を特異的に発現誘導し、タンパク質の膜透過能を維持する機構を持つ。VemP (Vibrio protein export monitoring polypeptide)は、159アミノ酸残基からなる分泌タンパク質であり、上記の発現制御機構に必須の役割を持つ。VemPは、菌の膜透過活性をモニターし、活性が低下した際には自身の翻訳伸長をC末端近傍で安定に停止させ、同一オペロン下流に位置するsecDF2の発現量を増加させる。この翻訳伸長の停止は、膜透過が正常な時は一過的であり速やかに解除される。本研究では、1)VemPの翻訳停止能を簡便に評価できるレポーターシステムを構築し、VemPのC末端高度保存領域の徹底的な変異解析を通してVemP翻訳アレストモチーフを同定し、翻訳停止の分子機構について考察した。2)VemPの翻訳停止/解除の分子機構を明らかにすることを目指して、VemPがリボソームで合成された後、翻訳停止/解除の過程を経て、膜透過が完了するまでに生じる他のタンパク質因子との一過的な相互作用を、最近我々が開発したPiXie法(Pulse-chase and in vivo X-linking experiment)を用いて解析した。相互作用因子の同定、変異株を用いたin vivo解析から、i) VemPはSRP経路を介して膜透過装置まで標的化されること、ii) 翻訳アレストの解除は、シグナル配列が切断を受ける状態まで膜透過反応が進行した後に初めて起こることを見出した。これらの知見は、VemPの翻訳停止を解除する分子機構の解明の大きな手がかりになると期待される。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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