2017 Fiscal Year Annual Research Report
Chasing translation along the time by novel ribosome profiling
Publicly Offered Research
Project Area | Nascent-chain Biology |
Project/Area Number |
17H05679
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
岩崎 信太郎 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (80611441)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リボソーム / 翻訳 / RNA |
Outline of Annual Research Achievements |
新生RNAの翻訳を経時的に捉えるため、複数種類のUridine誘導体をレポーターRNAに導入し、翻訳に与える影響を解析した。その結果in vitro翻訳系を使うことによって、thioUでは翻訳が阻害されてしまうものの、BrUでは翻訳が阻害されないということが明らかになった。また、BrUを含むレポーターmRNAをHEK293細胞にトランスフェクションし、ribosome profilingを行うことによって、Uを含むコドン位置で翻訳の伸長反応が阻害されていない、ということを確認した。また、実際に細胞内でBrUによって標識されるRNAはごく微量であることから、微量なサンプルに対してもribosome profilingが行えるよう実験系を改変した。特にcarrier oligoとそれを分解することのできるhoming endonucleaseを組み合わせることで、相対的なサンプルのロスの軽減、導入したcarrier oligo由来のDNAの除去を行うことが達成され、最終的に必要サンプル量を1/100以下にまで減らすことが可能になった。さらに、予備的実験としてBrUがラベルされたRNAを精製回収し、RNA-Seqを行いHEK293細胞でのRNAの半減期を明らかにしている。これらの技術や知見を組み合わせて、当初の目標である若いRNAと古いRNAの翻訳のダイナミクスの違いをribosome profiling法を改変することによって、今後解明していけると考えている。 また、酵母における異常翻訳の品質管理機構、植物が光に応答し5′ UTR配列を変化させ、翻訳効率を制御する現象をribosome profiling法を用いて明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年の研究により、適切な修飾RNAの選択、また微量サンプルに対応するribosome profiing法の改変を達成することができた。これらの知見は今後、細胞内のRNAを標識し、その後経時的にそのRNAを回収、ribosome profilingを行うという当初の実験計画を達成するために重要であると考える。また、参画する新学術領域内の共同研究の成果も出ており、概ね順調に研究は進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年の研究結果をもとに、標識されたRNAの効率的な回収法の検討を今後進め、実際に若いRNAと古いRNAの翻訳の違いを解析していきたい。G塩基が酸化修飾を受ける、酸化を受けると翻訳伸長が停止する、といった知見があることから、酸化RNA部位を網羅的に同定する手法(iCLIP-Seq法など)を更に組み合わせることにより、時間的翻訳動態の変化の分子実態についてより研究を展開していきたい。
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