2018 Fiscal Year Annual Research Report
3D免疫染色によるタンパク質の老化基盤の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Prevention of brain protein aging and dementia |
Project/Area Number |
17H05688
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田井中 一貴 新潟大学, 脳研究所, 教授 (80506113)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 組織透明化 / 3Dイメージング / 免疫染色 / 神経病理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヒト脳部検サンプルの透明化プロトコールを開発すると共に、哺乳類脳組織を均一に染色可能な3D免疫染色プロトコールを確立することを目的としている。今年度は、水溶性化合物を用いた組織透明化の化学的原理の体系化に向けて、求められる透明化パラメータ(脱脂・脱色・屈折率調整・脱灰)の包括的なプロファイリングに基づいた合理的手法を開発した。それぞれのパラメータに対して約1,600種類の水溶性化合物の「包括的なケミカルプロファイリング」を実施した結果、①脱脂には塩を含まないオクタノール/水分配係数の高いアミン(脂溶性アミンおよびアミノアルコールなど)が効果的であること、②脱色にはN-アルキルイミダゾールが効果的であること、③屈折率調整には芳香族アミドが効果的であること、④脱灰にはリン酸カルシウムのリン酸イオンのプロトン化(水素付加)が重要であることを見いだした。さらに、各パラメータにおいて最適化されたケミカルカクテルを統合した一連の新しい透明化プロトコールを開発することで、マウスの各種臓器および骨を含むマウス全身、ヒト組織を含む大きな霊長類サンプルの高度な透明化に成功した(Tainaka et al., Cell Rep., 2018, 24, 2196-2210.e9)。これらの透明化試薬の改良の結果、ヒト脳剖検サンプルの光学的課題である1)透明化後の褐色状の呈色、2)リポフスチンに代表される強度な自家蛍光、を効率よく抑制する透明化プロトコールが得られた。このプロトコールは、グリア細胞や髄鞘、血管、軸索に加えて、老人班やリン酸化タウといった病変マーカーのホールマウント免疫染色・ケミカルプローブ染色に適用可能である。以上の結果から、目的とするヒト脳組織3D免疫染色技術の開発に成功した。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)
-
[Journal Article] Chemical Landscape for Tissue Clearing Based on Hydrophilic Reagents.2018
Author(s)
Tainaka K, Murakami TC, Susaki EA, Shimizu C, Saito R, Takahashi K, Hayashi-Takagi A, Sekiya H, Arima Y, Nojima S, Ikemura M, Ushiku T, Shimizu Y, Murakami M, Tanaka KF, Iino M, Kasai H, Sasaoka T, Kobayashi K, Miyazono K, Morii E, Isa T, Fukayama M, Kakita A, Ueda HR.
-
Journal Title
Cell Rep.
Volume: 24
Pages: 2196-2210.e9
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-