2017 Fiscal Year Annual Research Report
疾患iPS細胞を用いた脳タンパク質老化モデルの構築と治療薬の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Prevention of brain protein aging and dementia |
Project/Area Number |
17H05706
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
赤松 和土 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (60338184)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
|
Keywords | 神経変性疾患 / パーキンソン病 / 神経幹細胞 / iPS細胞 / αシヌクレイン |
Outline of Annual Research Achievements |
神経変性疾患患者中枢神経系におけるαシヌクレイン異常凝集・局在異常・蓄積は疾患発症に深く関わっていると考えられる。本研究では患者由来iPS細胞から誘導した細胞を用いてαシヌクレイン凝集をハイスループットに定量する方法を開発し、病態解明と異常凝集を改善する開発ツールとして確立することを目指した。我々がこれまで開発したヒトES/iPS 細胞からの神経分化誘導法(Matsumoto et al. Stem Cell Reports 2016, Fujimori et al. Stem Cell Reports 2017)を用いて様々な神経変性疾患の表現型を解析することが可能になってきたが、遺伝性パーキンソン病PARK4(duplicate型) 由来細胞ではαシヌクレイン凝集・増加を短期間で検出することが難しかった。我々はiPS細胞由来神経細胞の成熟を促進する低分子化合物をスクリーニングし、神経分化を促進する化合物を見いだした。この化合物を作用させた神経細胞は5日間の培養で35日間の長期培養を行ったと同等の細胞老化の表現型を示し、PARK4における表現型もこの化合物を作用させることにより、従来の方法と比べて遙かに早期にその表現型を検出することが可能であった。今後さらにこの方法を改良しαシヌクレイン凝集を効率よく検出し神経変性メカニズムの可視化と薬剤スクリーニングを可能にするシステムを構築することを目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々が発見したiPS細胞由来神経細胞の成熟を促進する低分子化合物が神経成熟だけで無く細胞老化を促進し、神経変性疾患の表現型の検出感度を高めた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後さらにこの方法を改良し神経変性メカニズムの可視化と薬剤スクリーニングを可能にするシステムを構築する。
|