2017 Fiscal Year Annual Research Report
自発神経活動に依存した大脳長距離軸索投射の形成・再編・再生
Publicly Offered Research
Project Area | Dynamic regulation of brain function by Scrap & Build system |
Project/Area Number |
17H05745
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田川 義晃 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50303813)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大脳 / 神経回路 / 形成 / 再編成 / 神経活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大脳の代表的な長距離神経回路である脳梁投射をモデルに、その神経活動依存的な形成・再編・再生のメカニズムを明らかにすることである。そのために必要な(1)時期特異的神経活動操作の実験系(2)生後初期のマウスin vivo脳における脳梁軸索投射の経時的観察の実験系(3)脳梁投射細胞の自発活動パターンをみる実験系のうち、(1)をほぼ確立し、(2)(3)の確立に向けて研究を進めている。(1)について、脳梁軸索投射を可視化するための蛍光タンパク質とともに、Kir2.1、DREADDs、ChR2等の神経活動を操作する分子ツールを子宮内電気穿孔法によってマウス大脳皮質2/3層神経細胞に発現させる。Kir2.1の場合はTet-OFFシステム、DREADDsの場合は特異的な活性化リガンドCNO投与、ChR2の場合は小型LEDによる光照射により、時期特異的に神経活動を操作する。脳梁軸索投射は、マウスにおいて、生後2週間で形成される。この時期の神経活動(自発神経活動)抑制により脳梁軸索投射は阻害され、生後10日目以降に神経活動を回復させると、脳梁軸索投射も回復した。(3)によりどのような自発活動パターンが回復したら軸索投射が回復するかを検証し、この発達期に現れるある特徴的な自発活動パターンが脳梁軸索投射に重要であること、これが脳梁投射細胞に特異的な同期活動である可能性を示唆する結果が得られた。この結果は、生後3週以降に神経活動を回復させても軸索投射が回復しない結果と合うものであり、様々な時期特異的神経活動操作により自発活動パターンと軸索投射回復の有無を比較する実験、軸索投射に有効な自発活動パターンがどのような細胞に由来する活動かを明らかにする実験を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的達成に必要な3つの要素技術のうち、1つを確立、2つは確立に向けた進展があり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)(2)(3)を確立し、合わせて進めることで、脳梁軸索投射の形成・再編・再生における自発神経活動の役割を明らかにするという本研究の目的達成をめざす。特に(2)(3)は自研究室でin vivo imagingの基本的な実験系の整備を進めつつ、特に高額なため整備が難しい部分や技術に関して共同研究を進めており、合わせてより一層の進展をめざす。
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Research Products
(4 results)