2018 Fiscal Year Annual Research Report
胸腺ネオ・セルフ抗原によるT細胞免疫系の制御
Publicly Offered Research
Project Area | Creation, function and structure of neo-self |
Project/Area Number |
17H05788
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新田 剛 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (30373343)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | T細胞 / 胸腺上皮細胞 / MHC / 抗原ペプチド / 遺伝子多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヒトゲノムに存在するプロテアーゼ遺伝子の高頻度damaging variationに着目し、これらが胸腺内「ネオ・セルフ」自己ペプチドを生成することで、T細胞レパトアと疾患感受性を変化させる可能性を検証することを目的とする。 プロテアソームサブユニット遺伝子について、前年度に解析したb5tに加え、b1i、b2i、b5iの遺伝子欠損(KO)マウスを作製した。その結果、b1i-KOマウス、b2i-KOマウスにおいて、胸腺皮質上皮細胞におけるb5tのタンパク質発現がほぼ消失し、CD8 T細胞の分化が有意に低下していた。すなわちb1i-KOマウス、b2i-KOマウスはb5t-KOマウスに近い表現型を示した。b5i-KOマウスでは、胸腺上皮細胞におけるMHC class I発現がわずかに低下するものの、CD8 T細胞の分化は正常であった。一方、b5i-KOマウスの脾臓では、b1iとb2iのタンパク質発現が著しく低下していた。これらのマウスの表現型を整理すると、胸腺プロテアソームの形成はb1i→b2i→b5tの順番で、免疫プロテアソームの形成はb5i→b1i→b2iの順番でサブユニットの会合を必要とすることがわかった。従って、胸腺プロテアソームは、主要因子であるb5tのみならず、b1iまたはb2iの欠損によっても機能を失うという脆弱性をもつことがわかった。ヒトにおけるb1iとb2iのdamaging variationは胸腺プロテアソーム形成不全を介してCD8 T細胞のレパトアを変化させる可能性が示唆された。 また、胸腺特異的リソソームプロテアーゼTSSP/Prss16についても、高頻度damaging variationを導入したマウスを作製し、胸腺におけるT細胞分化TCRレパトアの解析を進めている。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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