2017 Fiscal Year Annual Research Report
Multi-omics analysis of endogenous non-retroviral viral elements in eukaryotic genomes
Publicly Offered Research
Project Area | Neo-virology: the raison d'etre of viruses |
Project/Area Number |
17H05823
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中川 草 東海大学, 医学部, 助教 (70510014)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 内在性ウイルス様配列 / 比較ゲノム / データベース / トランスポゾン / 共進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は真核生物ゲノムに内在化したレトロウイルス以外のウイルスに由来する配列を網羅的に同定し、その発現や機能について調べることを目的とする。現在までに真核生物4,102ゲノム配列に対してウイルス(レトロウイルスを除く)7,007ゲノム配列をBLASTN総当りで探索した。その結果、ウイルスゲノムのおよそ半数(3,856種)に何らかの真核生物に類似配列が存在し、真核生物のほぼ全て(4,098種)がウイルス様の配列を持つことが分かった。ただ、この中にはEVE以外にもウイルスが宿主から水平伝播により獲得した配列、その他ゲノム配列決定の際に混入したと考えられる配列なども多く含んでいた。特に二本鎖DNAウイルスの一部の配列にほぼ全ての真核生物に共通する配列があったが、これはheat shock protein 70に由来していて、ウイルスが宿主から獲得した配列であると考えられた。本解析で同定した配列を系統ごとにまとめ、データベースとして一般に公開した(pEVE, http://peve.med.u-tokai.ac.jp)。また、関連する論文もVirus Research誌に投稿し、受理された。 加えて領域内での共同研究も取り組み、1)水禽類の糞便サンプルのメタゲノム配列データを解析し糞便の由来となった生物種の同定を行った、2)エボラウイルスなどを含むフィロウイルスやネコレンチウイルス(FIV)の宿主・ウイルス共進化について、分子進化解析や立体構造予測解析を行い、感染制御に関する自然選択と塩基変異を解析した、3)ゾウのゲノムに内在化したボルナウイルスのN遺伝子(EBLN)の機能を明らかにするためRNAiで発現を抑えた細胞とコントロールの細胞それぞれのRNA-seqデータを解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本計画の中心となっているデータベースについて本年度までに構築が一通り完了し、公開することができた。関連する論文も受理され、本計画の進捗は極めて良好である。一方、真核生物ゲノムに多く存在するウイルス由来のコンタミネーション配列がゲノムに内在化していると誤って同定されてしまうことが分かり、現在それらの配列の区別をするための解析を行っている。また、ウイルス配列と相同性が低い真核生物のゲノム中に存在するウイルス様配列に対して同定できていないため、こちらも現在再解析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
最近報告された環境中から同定されたウイルス配列(Shi et al. Nature 2018)など、この一年でウイルス配列が大量に同定されたため、それらのウイルス配列を含めて再度網羅的な探索を行う予定である。加えて、いくつか興味深いウイルスの系統(Influenza virus, Enterovirusなど)についてはより精緻なTBLASTX探索を行う予定である。そしてウイルスが宿主に内在化した配列、ウイルスが宿主から獲得した配列、コンタミネーションの三種を区別するための解析を行う。EVE候補配列について真核生物のマルチオミクスデータを解析し、実際に宿主内で転写・翻訳されて遺伝子として機能する可能性があるのかを確かめる。上記の結果を受けて、EVEデータベースを更新する。更に、それらの配列を使い、比較ゲノム解析を行い、EVEのゲノム進化を明らかにする予定である
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] New World feline APOBEC3 potently controls inter-genus lentiviral transmission2018
Author(s)
Yoriyuki Konno, Shumpei Nagaoka, Izumi Kimura, Keisuke Yamamoto, Yumiko Kagawa, Ryuichi Kumata, Hirofumi Aso, Mahoko Takahashi Ueda, So Nakagawa, Tomoko Kobayashi, Yoshio Koyanagi, Kei Sato
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Journal Title
Retrovirology
Volume: 15
Pages: 31
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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