2017 Fiscal Year Annual Research Report
異質倍数体ゲノム安定化のバイオインフォマティクス
Publicly Offered Research
Project Area | Determining the principles of the birth of new plant species: molecular elucidation of the lock-and-key systems in sexual reproduction |
Project/Area Number |
17H05834
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩崎 渉 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (50545019)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | バイオインフォマティクス / ゲノム進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
真核生物、とりわけ植物のゲノム進化においては、異種由来のゲノムが融合することで作られる異質倍数体ゲノム(ハイブリッドゲノム)が重要な役割を果たす。しかしながら、倍数体ゲノムが誕生した後にそれがどのように新たな生物種のゲノムとして安定化していくか、そのプロセスの根本はほとんど明らかになっていない。本研究では、異質倍数体ゲノムの安定化プロセス解明のためのバイオインフォマティクス研究を展開する。特に、異質倍数体ゲノムにおいてはゲノムが大きく不安定化するとの予想のもと、情報と実験のハイブリッドアプローチによってそのプロセスを解明するための基盤を構築することを目指す。本年度は、異質倍数体ゲノム由来のゲノムデータ解析のためのアルゴリズムを開発するバイオインフォマティクス研究を行うとともに、データ取得のための予備実験を行った。非モデル生物でもある異質倍数体ゲノムにおいては、ゲノム配列を構成する各スキャッフォールドがそれぞれどのように染色体を構成し、かつ、各ゲノムフラグメントが2つの祖先種由来のゲノムのどちらに由来するかが不明な部分が残る場合が一般的である。直接の祖先種2種のコンプリートゲノム配列情報が入手可能であり、さらに、異質倍数体が生じた直後である場合にはこれらの問題は比較的容易に解決することができるが、開発する情報解析手法は、それらの条件が満たされない場合についても対応できるものとする必要がある。そこで本研究では、異質倍数体ゲノムデータを用いてこの問題を解決するためのアルゴリズムを開発した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り研究が進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度も、予定通り研究を推進する。
|